ダブルウィッシュボーンでインボードサスまでは感心していたのですが、鉄板からブレーキディスクを作る所で”そう来たか!”と思いました。なるほどねぇ、思わず笑っちゃいました。本当に素晴らしい。
ダブルウィッシュボーンでインボードサスまでは感心していたのですが、鉄板からブレーキディスクを作る所で”そう来たか!”と思いました。なるほどねぇ、思わず笑っちゃいました。本当に素晴らしい。
2023-12-29 カテゴリー: automobile, crafts | 個別ページ | コメント (0)
人間って、食べるのに精一杯だった所から、少しでも余裕が出来ると、始めちゃうんですね 馬鹿なこと。ジョン・ブリッテンやアレン・ミルヤードに感心して来ましたが、お馬鹿さんは洋の東西を問わない事が分かりました。最大の尊敬を捧げます。
2023-12-29 カテゴリー: crafts, motorcycle | 個別ページ | コメント (0)
2022-01-25 カテゴリー: automobile, crafts, maintenance, motorcycle, paintings, tools | 個別ページ | コメント (0)
今、日本が世界に自慢出来る事、大谷ですか? 私はこっちだと思います。 凄い!見事に何の役にも立たない 酔狂の世界。 これを偉業と呼ばずして何を偉業と呼ぶのか、素晴らしすぎると思います。
一年上のサッカー部に横山さんって人が居て、その世界では有名だって話は随分昔に聞きました。名前をメディアで見かけることも有りましたが、その世界ってどの世界なんだか知りませんでした。人に誘われて八王子夢美術館まで見に行って来ました。模型制作者でイラストレイターでキャラクターデザイナーとでも言ったら良いのでしょうか。絵画に彫刻に建築と言ったジャンル分けでは説明が難しいことが判りました。鎧をモチーフにフィギュアを作る野口哲哉に通じるところがある気がします。何か具合の良い名前をつければ二人の仕事を並べて一つのジャンルが作れるとも思いました。ただフィギュアと言ってしまうと全く別の世界を示してしまう。日本語って難しいですね。
こちらは野口哲哉。
へ〜、ジウジアーロじゃなくてジュジャーロって言うんだ。 壁の原寸ドローイングは914タピーロ。あの絵の真似をしたのは中学の頃だ。 マングスタは立面図や写真を何枚も見て知っていたけど、動く実物は想像以上に格好が良かった。 ジウジアーロの太刀筋は読み切れた積りでいたけど、そうじゃなかった。 赤いボデイに青と白の線が入った奴を何かのショーで見た覚えが あるんだけれど、マンタだったかも知れない。何かの記憶違いだろうか。 五十嵐さん、教えてくれてありがとう御座います。 一番好きなのは、やっぱりカングーロかな。
2018-11-25 カテゴリー: automobile, crafts, DESIGN | 個別ページ | コメント (0)
誰もが知っている外側の形より、フレームと一体になったリーディングトレーリングアームサス、もう一つがシート構造、簡便で美しい二つの工夫がもたらす乗り心地が2CVの最大の美点でしょう。4輪を2輪にするには、縦に2分割すれば良いようにも思えますが、操舵と駆動を前輪で兼ねるFFが、モーターサイクルと同じ様に前輪操舵、後輪駆動になっています。事は思った程簡単ではありません。本来のトレーリングアームをぐるっと180度回してリーディングアームとする事でホイールベースが短縮されています。でも前輪にはリーディングアームサス(多分ショックユニットも)がそのまま生かされています。左側からの写真を見ても車軸の駆動方法が解りません。右から見えるブレーキドラムの裏に反対側のドライブシャフトが有るとすればタイヤの真上辺りに来そうです。(アレッ2CVってインボードブレーキなの?)ドライブシャフトを直接タイヤに押し当てているととすると、ソレックスと同じでフランス人には馴染深い駆動方法です。けれど、リヤサスがリジットなら解りますが本当に動くとするとドライブシャフトを押し当てるには工夫が必要です、エンジンはフレームに固定されている様に見えるし。謎が残ります。
アッ 人が乗ると体重でタイヤに押し付けられる、クラッチになっているとか?
2018-07-30 カテゴリー: airplane, automobile, crafts, motorcycle | 個別ページ | コメント (0)
まだ阿佐ヶ谷にいた頃、ボーリング場下の本屋で、写真集を繰り返し立ち読みしていました。その内の一冊 ’故宮博物館 宋・元の陶磁’なんてのを買ったのは暫くしてからでした。まだ汝窯や竜泉窯の実物を見たことは無かったと思います。1999年の東武美術館 '宋磁 神品と呼ばれた焼き物展’で日本にある宋磁と大英博物館など海外の名品まで、かなりの量をまとめて見る事が出来ました。其の後、心が傾くのに大きな契機となりました。日本では大阪の東洋陶磁美術館、国立博物館、出光美術館、アメリカの博物館も幾つかありました。最良の品をあれだけまとめて見る機会はその後ありません。初めて見る本物に触れた驚きは、その後台湾の故宮博物館に行った時より大きかったかも知れません。あの時のお気に入りの幾つかは出光美術館の収蔵品でした。今やっている出光美術館’宋磁 神秘の焼き物展’で又見る事が出来ました。6月の10日までです。空いているし、暑い時に青磁は涼しげで良いと思います。
で、どこでこの企画に気付いたか。松岡美術館ってご存知ですか。私は知りませんでした。たまたま仕事で通り掛かったので帰りにのぞいたら凄かった。個人のコレクションと舐めていた所為もあってびっくりしました。ブールデルにヘンリー・ムーア、エジプトに伊万里、日本画、特にガンダーラとクメールはかなりの質と量です。個人のコレクションなりの弱さもあるし、何より多方面に手を出し過ぎている所も印象を分散させてしまいます。でも個人のコレクションにしては異常なレベルだとも思います。出光美術館のパンフレットを見る事が出来たのもラッキーでした。ここも空いていて良いと思います。以上今ならお勧めの二つでした。
子供の頃、玩具は全て父の手作りでした。電池で動く友達の玩具が羨ましかったのを覚えています。目黒区美術館では区にゆかりのデザイナーとして秋岡さんの展覧会をやりました。その後も入り口脇の部屋で秋岡さんに関する企画が何回かありました。今回はKAKの仕事、金子、河とともにという企画だそうです。父の作った玩具と模型もいくつか並べる予定だそうです。
KAKで撮った写真を集めた展示でも思いましたが、よそ様が見て面白い物なのか疑問が残ります。他人様の家族のアルバムを見せられてもなぁ・・とも思いますが、主な展示は別にあります。’1950-60年代の抽象表現から’こちらは岡田謙三、猪熊弦一郎、菅井汲、こちらは充分な見応えがありそうです。
2月10日から3月18日まで目黒区美術館です。
今の車は、ほとんどがモノコック構造で出来ています。外皮の部分が凹んだりの修理はそんなに難しく有りませんが、中の力を受ける部分は複雑な最中になっていて3Dの変形を正確に修復するのは簡単では有りません。あまりに手際が良いので簡単そうに見えますが、難しい板金だと思います。訳のわから無い言葉はロシア語にも聞こえます。最近ではもっとも感心した動画です。(蓋をしてしまった中の塗装が心配では有ります。)
2017-07-22 カテゴリー: automobile, crafts | 個別ページ | コメント (0)
以前に台北の國立故宮博物院でも見ていますが、現存6個の汝窯水仙盆の内、5個を一度に並べて見られる機会は二度と無いかも知れません。大阪東洋陶磁美術館の常設展示参観も、出光美術館で砧青磁の竜泉窯鳳凰青磁耳瓶を見逃して以来の念願でした。天目茶碗や朝鮮コレクション等見たい物が沢山あります。家族の入院などでバタバタしている内に3月26日の最終日も間近になってしまいました。新幹線の往復で3万円に躊躇していたら、新幹線の日帰り往復で2万円、3千円の金券付きと言うのを見つけて、23日に出かけてきました。(日帰りでなしに一泊すると更に安い物があります。宿代が増えるはずなのに不思議だなぁ。)
6個の内4個は台北に、一つが大阪に、最後の一つは吉林省にありますが、吉林省のものは大きく削られていて本来の形を残していません。台湾の内一つと大阪の物も縁の一部が欠けたのでしょう。縁全体を削り整えて銅の帯を被せてありますが、かろうじて水仙盆の体をなしていると言えるでしょう。本物汝窯で皆の知っている水仙盆の形をしている物は全て揃ったと言って良い気がします。
ポスターには6点とあります。北宋の汝窯5点の他に清代に成ってから乾隆帝が作らせたレプリカを含めて計6点が一遍に見られます。
展示が良く出来ていて、以前に台北で見たときより仔細に観る事が出来ます。空いていたので何度も戻って見比べる事も出来ました。常設展を見終えて帰って来たら、長蛇の列が出来ていて自由に見比べる事など出来ない様です。良い時に見る事が出来ました。
別の場所には現代の名工によるレプリカもあって、清のレプリカと合わせて興味深いものでした。どちらもとても良く出来ているのですが本物には届きません。届かない所を含めて相対的な価値を感じました。手元の偽物も本物や国をあげてのレプリカには敵いませんが、貧乏人相応との相対的な価値と愛着を感じる様になりました。
本物の台には引き出しがあって乾隆帝の賛辞をまとめた小冊子が入っています。これが美しい。こんなに完璧なレイアウトを見た事がありません、この世のデザイナーと名の付く人全ては裸足で逃げ出す必要があります。小冊子の全ページを並べたポスターに見惚れました。ポスター欲しいなぁ。
お気に入り、もう一つ有りました。偽物、安物ばかりを狙っている私の場合、賭けが吉と出る事は稀です。でもたまには出来のいい偽物、安物に遭遇することもある訳です。本物の絶妙なプロポーションには及びもしませんが色は許せる範囲、いや偽物としてはマシな方だと思います。貫入は有りません。
必ずしも本物を求めていない、本物か否かに興味も無い、綺麗なら偽物で構わないという事ですから、世間の骨董趣味とは別物で有ります。けれど本物を求める人ほど、偽物を掴まされることだってある筈です。
青磁と言うとその色に興味が集まりがちですが、私はそのフォルムに惹かれます。本物を初めて見た時にはこの世で一番完璧に近い形を見たとまで思いました。その時程の感激は有りませんけどね。かなり良く出来ていると思います。売り手は汝窯と言ってました。そんな筈はありません。本当の汝窯がこんな所に転がっていたら大変です、私に買える筈もありません。本物が欲しければ台湾の故宮博物館か大阪の東洋陶磁美術館から盗んで来るしか無い訳ですから。
今年見た中でこれを落とす訳には行きません。開催中にエントリーが出来れば良かったのですが、タイミングを逃しました。展覧会は終わって仕舞いましたが、本屋に本が並んでいるのを見つけて、再度取り上げる気になりました。本も見て欲しいのですが、実物の大きさや精度が写真では伝わりません。手の跡が伺える実物を見る機会があったら是非見て下さい。
鎧、兜、具足の種類と変遷に関するマニアなんだと思います。めちゃくちゃ詳しい知識で誰より正確な鎧と立派なお侍を作るかと思えば、今時のネタを知らぬ顔で忍ばせてあたかもそんな鎧があったのかと思わせます。これはシャネル侍という作品で家紋の代わりにシャネルのマークが入っています。凛々しく強そうなお侍と言うより、どこかにいそうな普通のおじさんだったり、写真に残る実在の人物がその情けなさそのままに再現されています。
2014-11-22 カテゴリー: crafts | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
苦手な物や、いつか身につけたいと思ったまま時が経ってしまった事が沢山有ります。英語が出来たらとも思いますが、もっと身近な所では、トラックに荷を積む時の南京縛りは大学の時分に大工さんの手伝いで教えてもらったし、その後もバイク屋さんなどで何度か教えてもらったのに暫くすると忘れてしまいます。丸ノコが上手く使えないこともずっと気になっていました。私に取って1ミリの隙間も無く四角い箱を作るのは結構難しい事でした。ホームセンターにあるパネルソーが羨ましかったのですが自分で手に入れる事など考えもしない事でした。パネルソーが作れるとは知りませんでした。
4X8の合板を立てて横使いで上辺にレールを通してドラフターを付ければ原寸図が書けるなどと憧れた事が有りましたが、CADが使える様になってあまり考えなくなりました。
3Dプリンターも凄いけれど、これも同じくらい偉いし、もっと身近な気がします。
2014-10-25 カテゴリー: crafts, tools | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
上野の博物館、東洋館で10月の13日まで 日本人が愛した官窯青磁 展をやっています。点数も少ないし特別の目玉がある訳でもありませんが、熱い盛り、混雑の故宮博物院展よりガラガラの東洋館がお勧めです。前にも書きましたが、点数は多くありませんが、ここのガンダーラやクメール彫刻、中国の青銅器は粒ぞろいです。世界に自慢出来ると思いますが、中国に返せと難癖を付けられたり、混雑する様になっても困るので、このままひっそりとして置いて欲しいと思います。改装されて展示と照明が随分見やすくなりました。日本に唯一の汝窯は川端康成が持っていたって書いてあるけど本当かなぁ。大阪の東洋陶磁美術館に縁に色のついた水仙盆があった様な気がするけどなぁ。帰ってから東京博物館のサイトをみると鳳凰耳瓶が出てるけど、あったかなぁ。見た覚えが無いなぁ。
いつかのアウトウニオンのペダルカーも凄かったけれど、これもいいなぁ。グリルは本物に敵わないけれど、フェンダーラインがとても奇麗だと思います。
2014-02-08 カテゴリー: automobile, crafts, DESIGN | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
こんな積もりじゃありませんでした。昼休み、ほんの暇つぶしのはずでした。たまたま手にした券を持って、あぁここかと土産物屋みたいな建物に入る時には困ったなと思いました。受付で案内された階段を上がる時には帰ろうかと思いました。べこべこした床を踏みながらデタラメな動線計画にうんざりしました。
ご存知でしたか?ついこの間まで綿が高級品だったこと。端切れ一つがお宝だったこと。ボロボロの麻布を重ねた半纏で藁の上に寝ていた事。圧倒的な貧しさの中でひたすらに家族を思いやる暮らしが有った事。そんな中でも思いやりや義務だけではない創る喜びと創意工夫が有ったこと。
贅沢とはまるで縁の無い中でも、女の子はおしゃれがしたかった事。ひたすらな思いで創った野良着の美しい事、浮かれていた自分の頭を思い切り揺すぶられた様に感じました。
近頃、こんなに心を動かされた事はありません。日本人がどうやって暮らして来たかを私たち日本人は忘れているのだと思いました。こうした暮らし全てを私個人が知っている訳ではありません。でも日本人と言った時には知らなかったと言うよりは忘れていたという言い方が正しい気がしました。
ボロや野良着に貧乏の話、どんなに心を動かされたかなどと言えば、ますます皆さんの足は遠のくのかも知れません。けれど見て欲しいのは物作りの凄さと見事さ、美しさです。家電のデザインや音楽、情けなくて日本の物造りに自信が持てなくなる時があります。北欧のデザインは素敵だわ。世界の民族衣装が素晴らしいなんて思った事もあります。でもこんなに凄いのは見た事が無い。浅草にお出かけの機会があったら騙されたと思って見て欲しいと思います。
浅草寺本堂の東脇、二天門前、アミューズミュージアム、ワークウェアを超えたアート展3月の30日まで。
2014-01-11 カテゴリー: clothing, crafts | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
流行歌手ふぜいが自らをアーティストと名乗る事に抵抗が有りました。自らの信じる所をひたすらに積み重ねて、万人の価値に至ること。それを成したと自ら名乗る事の厚顔。
ただアメリカ辺りでは言葉の意味というより使い勝手に差が有るのかも知れないと思っていました。
チャールズ・イームズは自らアーティストと名乗るのは恥ずかしい事だと言ってました。同じ様な考えがアメリカにも有る、或は有ったと聞いて少し安心しました。
イームズの仕事の内、私が魅力的だと思う部分の何割かはレイに依る物だとも知りました。ただ何人かに依る仕事の内、どこが誰の仕事だと後年決めつけるのも無理が有ります。レイに依る可能性が高いぐらいの認識に留めるべきでしょう。
私は渋谷のアップリンクという所で見ました。もらった整理券は8番で結局全部でも10人そこそこ。極く親密な空間で見る事が出来ました。この世のイームズに対する関心の大きさと、随分差がある様に思いました。ちょっと不思議な所でした。
殷周の青銅器こそ中華文明の証と思っていました。中原から遠く離れた四川で全く別の青銅器文明が忽然と現れた事だけで十分な驚異ですが、見た事もないこの形を見て腰を抜かしそうになっても不思議はありません。横幅が77センチと言えば大体の大きさがお分かりでしょうか。1986年に出土した三星堆(さんせいたい)の青銅器群は何度か来ていて私が見るのは3度目ぐらいでしょうか。宣伝の仕方に依っては展覧会の’目玉’にだってなりうるインパクトだと思います。けれど、昨今の事情で会場はガラガラです。こんなに近くからゆっくり見る事が出来たのは初めてです。今年始めの清明上河図巻の混雑が嘘のようです。
何時だったかの中国国宝展で来た編鐘はその巨大なスケールにびっくりしました。梁から紐で吊るしてありました。今回の編鐘はそこまで大きくはありませんが木製の枠に吊るされたまま出土した点で、吊るし方が判って興味深い物がありました。他にも巨大さで人を驚かすというより精緻な模様を間近で見られるなどで青銅器好きには嬉しい出品が多かったと思います。
唐の美人といえば樹下美人図で日本人にもおなじみです。今の日本人にああした美意識を知る事は出来ても、恋心を抱くのはちょっと難しい。左の奴はそうした例に当たると思います。右の胡服女性桶には惹かれました。写真では判り難いとは思いますが、展示では照明の違いでしょうか、興福寺八部衆阿修羅の顔立ちにも似た美しさがあると感じました。
小さな青磁などは皆台湾の故宮に行ってしまったのかと思っていましたが、広い中国にはまだまだ名品が残っている事が解りました。陶磁器にも素敵な出品が沢山ありました。
これだけの物がこんなにゆっくり見られる機会は中々無いと思います。12月24日までの中国王朝の至宝展をお勧めします。
もう来ないなんて可能性だってあるかも知れません。
何より空いていて、ゆっくり見る事が出来た点も含めれば、今年の展覧会ではベストかな。すっかりいい気分になったのでついでにメトロポリタン美術館展ものぞいたら、全く心に入って来る物がありません。特に油絵がいけません。時代を問わず全てが脂ぎった毛唐の描いた趣味の悪いガラクタにしか見えません。普段であれば好きだったり興味の対象になる作品だってあったのに、まるで心が受け付けません。東アジア脳になっていたのでしょうか。
’ムーミンが住む森の生活’なんて書いてあると、女・子供向けかと足が遠のいてしまう大人がいないかと心配です。そんな事はありません。いい大人にこそのぞいて頂きたい。
宇都宮はちょっと遠いし、美術館が駅から離れているのも辛い所です。鎌倉の近代美術館よりはちょっと遠いけど行けない所じゃありません。騙されたと思ってご覧戴きたい。
ふんぞり返って人を見て、ヘヘーっと人を這いつくばらせるのが建築だとでも考えているのではないか、だとしたら随分嫌な奴だと思っていた岡田新一ですが、彼の設計にしたら意外に軒の低い建物です。個々のデザインに文句の無い訳ではありませんが、世の中の動きや谷口吉生の一連の美術館などには影響される所があったのでしょうか。大きすぎないのも良いし、全体の規模やアプローチの整備には好感がもてました。計画段階で使う側から学芸員の方々が文句を言う機会もあったそうです。そこらも良かったのかも知れません。
フィンランドのデザインだの建築だのと言い出す前に、国土や風景が油絵で示されて、スウェーデンとロシアに挟まれた中でアイデンティティーの核になった神話の説明がありました。この手の前置きは面倒に感じる事も多いのですが、前置き一つ一つが十分に魅力的です。サーリネン(父)にアアルト、カイ・フランクにマリメッコ、後は皆様の期待通りです。
去年秋の目黒美術館・降旗さんや、今度の宇都宮美術館・橋本さん、お仕事に触れて感じる所がありました。あれだけの物を企画して飛び回って交渉して・集めて・見せてそれを責任持って返す事がどんなに大変か。箱ものばかりで中身が無い、ハードばかりでソフトが無いと馬鹿にして来ました。日本の美術館、人もソフトも育ってます。彼女達の仕事を評価するかしないか社会の側が問われていると思いました。
がんばれ日本の学芸員。
久し振りに行ったアクシスで見た物を幾つか。
噂の扇風機を見て来ました。確かに安全で静かで格好が良い。リング内周スリットからの風でリング中央に風を起こす、霧吹きやキャブレタと同じ様な仕組みだと思います。結果としてファン自体の風量より大きな風が送れる。というお話です。本当にお上品で楚々とした風でファン自体より大きな風を起こしている様には思えません。ちょっと微妙な所です。けれど、風の質感がまるで違います、これに比べると今までの扇風機の風が乱暴で洗練されないモノに感じるのも確かです。(展示用に風量を落としていたのかも知れません)
こちらはフレームだけでなく、リムまで木製の自転車。凄い、工芸品ですね。
今日(11/2)NHKのテレビに出て来ました。東京で100年だか200年続く船大工(51歳)が作っているのだそうです。ドイツの自転車展に呼ばれて260万だかで3台売れたそうです。
こちらはアウトウニオン型のペダルカー。220万円とかですって。
2009-10-30 カテゴリー: automobile, bicycle, crafts, DESIGN | 個別ページ | コメント (5) | トラックバック (0)
今まで、北大路魯山人の器が欲しいと思った事は一度も無い。私の趣味とはまるで別の世界の話だと思っていた。
本人に特別な興味もないけれど、あちこちで読み聞きした話から、随分嫌な奴じゃないだろうかと勝手に思っていた。
食べ物の話にも食器の話にも虚栄心が強くて、何を根拠に、そんなに偉そうなんだか自信があるのだか分からない。むしろ自信が無いからだろうか、他人を怒鳴りつけて虚勢を張らなければ世の中を生きて行けないと思い込んでいるような人間性を感じていた。
積極的な興味も無く、良く知りもしないのに、何でこんなにマイナスイメージが強くなってしまったのか分からない。
根拠の無い理不尽な話しだと思う。本来人様に言える事では無い。
(出来上がった作品から、その人と、なりを感じてしまうのは良くある事だけれど)
昨日テレビを見ていて思い出した。
漫画を元にした’テレビドラマおせん’の建物はとっても春風萬里荘に似ている。多分あそこじゃないかと思う。
笠間にある日動画廊・春風萬里荘は、北大路魯山人が住んでいた家を移築したものだ。
そもそもは更に古い民家を魯山人が鎌倉に移築したものらしい。
イサムノグチも結婚後暫く居候していたみたいだ。
古い農家に洋間と茶室を足した建物も良いけれど、広い庭も含めて見渡す限りの辺り一帯がとても良く手入れされている。
日本人誰もの心の底にある理想郷ってこんな形じゃないかと思う。
食器や食べ物、知りもしない人となりについて、語る資格もないけれど、春風萬里荘についてはお薦めしたい。
もし、日本人の考える理想郷に興味を持つ人がいたら是非案内したいと思う。
2008-04-30 カテゴリー: crafts | 個別ページ | コメント (4) | トラックバック (0)
井上さんのブログをのぞいていたらこんな物が。
思わず、これは何ですか?とコメントを入れました。
愚問でした。
用途を訊いても、作家を訊いても、何の役にも立たないことは明白です。
見ないと何も始まらない。
三春堂ギャラリ−30周年展、2月の二日までか。
目白には縁も無くて、その文化圏を何となく敬遠する所がありました。
普段ならバイクで行く所ですが、まだ修理もしていません。
仕方が無い。リハビリを兼ねて自転車で行きましょう。
ベルギー生まれでイギリスで活躍する女性ジャックポンセレのセラミックだそうです。
もっともこれは80年代の作品で現在はまったく別の作風だそうです。
他にも興味深い作品があって楽しめました。
何かをジャンルで分けたり、何かに似ているという事で、一件落着というのは、間違いだと思います。
ただ何かに似ている気がして仕様がありません。
このDMの写真は雪の上に置かれた素焼きの部分が湿っていて、今日見た実物とは少し印象が異なります。(これはこれで魅力的ですが)
実物は素焼きも乾いていて少しドライで軽い印象です。思い出しました。ある時期のステラに似ている気がしました。
2008-01-27 カテゴリー: crafts | 個別ページ | コメント (6) | トラックバック (0)
地方の美術館や企業の社長室で印象派やエコール・ド・パリに出くわして驚いた事が何度かある。
バブルがはじけて帰って行った絵もあるのだろうけれど、この日本にはまだまだ名画が沢山あるらしい。
けれどゴッホやルノワール、シャガールという名前だけで買ったとしか思えない。
何より集めた人の好みが伺えない、コレクションとして魅力に欠けるものが多い。
絵を描いた人と同じように、それを買い集めた人の目も問われて来るのではないか。
どうも企業や個人、地方美術館のコレクションにそれが欠けている。情けないね日本人は、と思っていた。
(大原美術館にはまだ行った事が無い。)
名画の類いは、売り買いと言ったやりとり、個人の好き嫌い、趣味嗜好による判断にさらされる機会が少なくて、きっと日本の社会全体がまだ勉強不足なんだろう。
近世以降でもあまたの伝世品のやり取りや、古美術商と目利きの客との関係の中で、十分に学習されて日本人独自の評価体系が確立された世界では、世界に胸をはれる日本人好みがある事が良く判った。
泉屋博古館分館で12月10日まで、展覧会”中国陶磁、美を鑑るこころ”をやっている。日本に於ける中国陶磁器コレクションの精華が集められている。会場も小さいし、点数も多くない。掌中の珠とも言える小品ばかりだけれど、数では敵わない故宮にも質では負けない粒よりだ。まったく素晴らしい日本人好みの世界だ。
殷の陶片(芸大のコレクション)。青銅器は昔から好きだったけれど、あの模様だけがあんなに魅力的な例は初めてだ。
白釉加彩花葉文壷、唐美人も今では単なる下膨れのブスだし、唐三彩も見飽きたなどと思っていたが、国際都市長安がどんなに魅力的だったのか、唐がまだまだ興味のつきない対象だと思い知らされた。
南宋の龍泉窯は勿論、北宋の汝官窯、さらに米色青磁のあんなに綺麗なものがあるなんて想像も出来なかった。
宋の青磁ばかりに気を取られていた私にむしろ中国陶磁のピークは明だと、台北の故宮でリン君が教えてくれた。
故宮では、逸品も多かったけれど興味を持てないものも多かった。
どちらが評価が高いかと言われれば故宮には敵わないのかも知れないけれど、どちらが自分の手元に置けるか、欲しいかと言われれば、今日の明のコレクションはどれもが欲しくてたまらない。私にも人にもそれぞれ好みがあって並んだもの全てが欲しいなんて事は今まで経験が無い。私の好みも日本人好みに収まるものだという事も良く判った。
単品では、as it isで見た漢の馬、ベラスケスのエル・プリモ、どちらも素晴らしかったけれど、展覧会では今回を今年のベストにしたい。
2006-12-03 カテゴリー: crafts | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
今の若い人には分からない話かも知れないけれど、お酒を飲むという事すなわち、お店にウィスキーのボトルを入れて、薄い水割りを皆で分け合う事だった時代があった。
ある種の疑似通貨や権威の象徴でもあって、お歳暮に高いウィスキーを頂くことや、棚に置いてあるジョニーウォーカーに特別の意味があった。
高価だったウィスキーがそういった役割を果たしていた時代に、サントリーは言わば基軸通貨を持つアメリカのような立場にあった。
樽の並んだ工場や蒸留機、「何も足さない」なんてコピーで、すっかり本物だと勘違いしてしまったけれど、一部の高級品をはぶけば、サントリーのウィスキーの大部分はエチルアルコールにキャラメルで色を付けたものに過ぎない、と薬屋さんが言っていた。
(それをウィスキーに見せるのも大した技術だと思う。発泡酒や第三のビールなんてものもある。今だったらウィスキーの偽物を作らせたら世界一うまいと自慢が出来るかもしれない。 本物がこんなに安くなってはその意味もないか)
アメリカの映画を見ていると、金持ちとも思えない半分浮浪者のような登場者がなけなしのお金でカティーサークを買うのを見て、
日本での扱いと随分違うなとは思っていた。
皆がそんなウィスキーをすっかり飲まなくなって、久し振りにシングルモルトのスコッチなんかを飲むと美味しいのにびっくりしてしまう。
一方、他所の国のお酒、つまり文化の中で日本製をあれだけ有り難いものに仕立て上げた、サントリーの戦略には素晴らしいものがあったんだとも言える。
オールドの瓶のデザインなんて今考えても素晴らしい。日本独自の有り難さをでっち上げるのにあんなに上手な例は他に思いつかない。
日本人にウィスキーを飲ませる為に、最大の努力をしたのも、サントリーだけれど、日本人がウィスキーを飲まなくなった最大の理由もサントリーだろう。
功罪半場する功の部分、瓶やロゴのデザイン、広告、のほんの一部に過ぎないけれど、この灰皿も本当に上手だと思う。
サントリーとトリス二つ揃っているのが少し自慢だ。
2006-10-28 カテゴリー: crafts | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
暑い盛りに、青磁ばかりの展覧会はなかなか良い趣向だと思う。
鳳凰耳瓶、日本では銘千声、銘万声の二つが特に有名だけれど、他にもそれに匹敵する名品がある。いつか見に行きたいと思っていた白鶴美術館や五島美術館のそれを横に並べて見比べる事が出来る。
こんな機会は中々ない。
(大阪市立東洋陶磁美術館のものは明日からだそうだ。残念。大阪には他に見たいものがいくつかある。
いつか、美術館まで見に行こう。)
青磁の白眉と言えば、汝官窯が無いのは残念だなんて少し見くびっていたのだけれど、
質量ともに予想を遥かに上回る品揃えだった。
これまで、青くなる前の茶色やオリーブグリーンの青磁に今ひとつ興味が持てなかったのだけれど、
いくつか名品を見る事で興味が湧いて来た。
南北朝の青や緑というよりグレイに近いものも綺麗だった。
龍泉窯と言えば南宋の砧青磁が有名だけれど、元、明の龍泉窯は初めて見た。
色は南宋の空色に近い色から、黄味の強い緑になっていた。
それを又エジプトの窯で真似していたというのも面白かった。
出光美術館で9/3迄。
2006-08-17 カテゴリー: crafts | 個別ページ | コメント (2) | トラックバック (0)
2005-05-11 カテゴリー: crafts | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)