まだ阿佐ヶ谷にいた頃、ボーリング場下の本屋で、写真集を繰り返し立ち読みしていました。その内の一冊 ’故宮博物館 宋・元の陶磁’なんてのを買ったのは暫くしてからでした。まだ汝窯や竜泉窯の実物を見たことは無かったと思います。1999年の東武美術館 '宋磁 神品と呼ばれた焼き物展’で日本にある宋磁と大英博物館など海外の名品まで、かなりの量をまとめて見る事が出来ました。其の後、心が傾くのに大きな契機となりました。日本では大阪の東洋陶磁美術館、国立博物館、出光美術館、アメリカの博物館も幾つかありました。最良の品をあれだけまとめて見る機会はその後ありません。初めて見る本物に触れた驚きは、その後台湾の故宮博物館に行った時より大きかったかも知れません。あの時のお気に入りの幾つかは出光美術館の収蔵品でした。今やっている出光美術館’宋磁 神秘の焼き物展’で又見る事が出来ました。6月の10日までです。空いているし、暑い時に青磁は涼しげで良いと思います。
で、どこでこの企画に気付いたか。松岡美術館ってご存知ですか。私は知りませんでした。たまたま仕事で通り掛かったので帰りにのぞいたら凄かった。個人のコレクションと舐めていた所為もあってびっくりしました。ブールデルにヘンリー・ムーア、エジプトに伊万里、日本画、特にガンダーラとクメールはかなりの質と量です。個人のコレクションなりの弱さもあるし、何より多方面に手を出し過ぎている所も印象を分散させてしまいます。でも個人のコレクションにしては異常なレベルだとも思います。出光美術館のパンフレットを見る事が出来たのもラッキーでした。ここも空いていて良いと思います。以上今ならお勧めの二つでした。
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