南アルプスの裾野まで、友人の土地の下見に出かけました。
中央高速を挟んで反対側の八ヶ岳を望む敷地です。
一泊するのに、諏訪湖畔の旅館を予約してもらいました。
自前ですから、自分独りだったらこんな立派な所には泊まらなかったでしょう。
宿について部屋の窓から見下ろすと、すぐ斜め前に何やら古そうな塔が建っています。
片倉館はシルクで財を成した片倉家同族が建てた従業員や市民の為の福利厚生施設です。
千人風呂の内部タイル装飾が有名です。諏訪の紹介には必ず出て来ます。
一度見たいと思っていました。思いがけない機会でした。
ここまで大規模な物は初めてですが、温泉のお風呂でステンドグラスやタイル装飾が自慢と言う所をいくつか見た事があります。
割れたタイルや、錆びたサッシ、湯の花のこびりついた蛇口、毎日見ている人には気付きにくいのかも知れません。
綺麗とは言いかねるものでした。
逆に手が入っていると、取って付けたような今風のタイルやアルミサッシ、新しいシャワーや蛇口が興をそぐ場合が多いと思います。
昭和初期の建物ですから、昔のタイルが欠けることもあるでしょう。サッシが鉄なら錆びて、木なら腐るでしょう。給排水給湯設備がそのまま生きている事も有り得ません。
メインテナンスの手は入っているのですが、許せる範囲に留まっています。このお風呂が竣工当時持っていた本来の魅力がまだ伺えます。
素敵なお風呂以外の建物も素晴らしい。消耗した所が見られません。二重のサッシは換えた様ですが気になりません。10年20年でボロボロになる今の建物が嘘の様です。
明治から昭和初期までの様式建築の中で、意匠と施工の両方で稀に見る上等だと思います。
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お風呂の写真が撮れなかったのでネットで2枚程捜して来ました。
上の写真は広角レンズの御陰で広く見えますが、大きさは下の写真の方が正確に伝わる気がします。