前回は’エルスール’から父親もの繋がりで’鉄道員’まで来たわけですが、好きなイタリア映画は他にもいくつか。
最近では(16年前を最近とは呼ばないか)’ニューシネマパラダイス’も素敵な映画でしたが高校浪人時代に見た映画がやはり忘れられません。’ストラダ’や’カビリアの夜’も好きですが、フェリーニだったら’アマルコルド’でしょう。当時寺山修司の映画がそっくりだなんて思いました。
他にもフェリーニの良い映画は沢山ありますが、アマルコルドはもう特別に愛していると言って過言ではありません。ベスト1候補の筆頭かも知れません。
逆にヴィスコンティはその大仰で大時代な所が馴染めませんでした。その丹念なディテールが楽しみで良く見ましたが、気軽な庶民には貴族の抱える憂鬱がアホらしく思えてしまうのでしょう。そう言う意味では’ルートヴィヒ’はまさに彼でしか撮れない映画でした。価値観をあまり共有出来なかったヴィスコンティですが、最後の’家族の肖像’で時代と共に失われて行くものに対する気持ちを共有出来た気がします。バートランカスターも本当に素敵でした。
ただこうして東洋人がイタリアに憧れても、ベルトルッチのラストエンペラーやコッポラの地獄の黙示録を見ると、彼等にとってトルコからこっちは到底理解出来ない不思議なだけの世界なのかなと思います。
公開当時、マカロニウェスタンという名前から既にバカにする雰囲気があったのを覚えています。アメリカ製の西部劇が既にピークを過ぎていた当時、バカにしつつも見たら面白かったのは’荒野の用心棒’。黒沢’用心棒’の焼き直しでした。マネをしたって面白くなるとは限りません。マネだって面白ければ評価すべきだと思いました。’荒野の七人’も好きです。(イタリア映画ではありませんね。)
あぁ後、これもイタリア映画ではありませんが、アメリカ映画にはイタリア物というジャンルが古くからある様です。’ローマの休日’は好きです。キャサリンへプバーンは’旅情’でしたっけ。この間見たトスカーナの何とかと言う映画は特別感心する出来ではありませんでしたが、このジャンルが根強いものだと教えてくれました。
好きな映画から話がずれてきましたね、このへんで。