日本では、ある心模様や歌をブルースという名前にかこつけることが多いけれど、本来のブルースとは、何の縁もゆかりもない。
実を言えば、ジャズ畑でいうブルースも、コード進行や、ある心情をさして使う事が多いが、ブルースという音楽とは関係がない場合が多い。
ラジオで繰り返し、スイートホームシカゴがかかる。ヘビーローテーションってやつだ。いまだかつて、日本でこの手の音楽がこんなに聞かれたことがあっただろうか。
クラプトンの長いキャリアの中で特別出来が良い訳でもない。もちろん本物のブルースという広い海の中ではカスに近いと言ったらまずいかな。
でも、とても典型的で分かりやすい。今まで興味のなかった人にも乗りやすい出来になっていると思う。
むしろ、難しいのは、ジャズやクラシックをまじめに聞く人たちだ、彼らに馬鹿にされる理由が分からないでもない。
クラプトンが今、私達に見せてくれるのは、あくまで再演であって、技術や洗練というもので測れない音楽の価値を伝えるだけの本物でないことも事実だ。
ただ、ヒットを出すと必ずそれをネタにレコード会社を脅して売れないブルースのレコードを作らせる、彼のブルースに対する使命感といままでの努力がこんなに不思議な事態を生み出していることも事実だ。
これをきっかけにブルースに興味を持ってくれる人が一人でもいてくれれば、いいなと思う。
本来のロバート ジョンソン版もいいけれど、今聴かれる形ではマジック サムのWEST SIDE SOULのほうがなじみやすい、映画のブルースブラザースも見直して欲しい。
こんな音楽お好きですか、迷惑ですか。
オーキなんとかとは違う本当にシカゴで活躍する日本人ギタリストのHP
あれは一体何だったのだろう。一週間もなかった、2.3日だったのかもしれない。もう、ラジオからは一切流れて来ない。
今さら流行るはずもないのは、当然だけれど、夢からさめて見ると幻としか思えない。不思議なものを見た、じゃなくて聴いた。