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水無瀬の町家2

毎年7月には、坂本一成先生のお誕生日と、先生がいらした武蔵野美大と東工大の、ゼミや研究室の同窓会を兼ねて、’例の会’が開かれる。例年東工大入り口の百年記念館(篠原一男)で一次会をした後、研究室脇の教室に場所を移して、進行中のプロジェクトを見せてもらったりする。今年も二次会に移ってから、ムサビの頃や水無瀬の話をしていたら、先生がTOTO通信を持ち出して来て、見せて下さった。
藤森照信の原・現代住宅再見で水無瀬が取り上げられていた。その場で早速拝見したのだが、お酒の入っていない時にきちんと読みたかった。その後、TOTOに依頼した2005夏号がバックナンバーとして届いた。
内外ともペンキが塗り直されてとても綺麗だ、ペンキを塗り直すのは簡単だけれど、驚くのは先生がお住まいだったころとほとんど変わっていないことだ。置いてある家具やあちこちの小物も先生御自身のものに見える。こんなに綺麗に住むのはなかなか出来る事ではない。先生の御兄弟がお住まいだと聞いたような気もするが、お酒が入っていたので確かではない。
1970年の竣工だから、35年も経っている。10年20年もすると見るも無惨になってしまう建物や、住む人の都合に合わなくなって建て替えられる住宅の多い中で、信じられない程綺麗な水無瀬の町家を”誌面”で確かめる事ができて、凄く嬉しかった。

実物をまだ見たことがないのだけれど
aki さんとiga さん
のエントリーで詳しい近況が見られる。

furuさんのエントリーで隣の家との関係も良く見て欲しい。

2005-08-09 カテゴリー: 建築 | 個別ページ | コメント (1) | トラックバック (0)

コンクリートの打放し

kouenji_okuyama
私が学校に行っていた時分に、打放しと言えば、スズキマコトと相場が決まっていた。都市住宅誌のスズキマコトとカーンのキンベルには随分憧れた。これは私だけの話じゃなくてあのころの一般的な話だと思う。安藤忠雄も最初はスズキの二番煎じぐらいに思っていた。
勤め始めたころもピン角の打放しがやりたくて、仕方がなかった。けれど仕上げは無いのか、これで終わりかと、施主に顰蹙を買うことも多かった。
言い出した手前ジャンカを出す訳にも行かず、打設には必ず立ち会って、梁底の掃除をしたりスペーサーを入れたり、打設後に壁と柱を、階高より長い鉄筋で10センチ毎に底(ひとつ下の打継ぎ)まで抜き差しして回っていた。だからコールドジョイントは出来なかったと思う。そうしている内に、窓の下にコンクリートがしっかり回ったか、どこにミキサーが来るか、ポンプ車を置くのはどこか、どこから打ち始めて左官の直押さえはいつ始めるか、色々な事が気になりはじめる。無闇にスラブのレベルを変えることや、横長の窓をやめて、鉄筋の間隔やかぶりを取る事、鉄筋の継手長さ、スランプのチェックに夢中だった。
今になって考えれば、工事者と監理者とのきちんとした仕組みを作るのが先で、設計の小僧が走り回ってどうなる訳でもなかった。その後きちんとした工務店に頼むようになってから現場を走り回るようなことはしていない。
あんなに嫌われた打放しもどうしたことか、近ごろではお客さんの方からのリクエストも多い。打放しはカッコ良いというコンセンサスがやっと社会の中に出来たらしい。建築家の独りよがりでなくなったのはおめでたいことだけれど、今はやりたいと思わない。
何より重くて地盤に負荷が大きい。建物が永遠でないとすれば、ほんの何十年かのカサブタのようなものが何千年何万年も掛って出来た地盤を痛めて良いものだろうか。アメリカの合板は昔から松が多い事を考えればアジアの熱帯からラワンを取り尽くしてしまった原因は日本のコンクリート工事で使う仮枠の合板のせいかも知れない。住み手に取っても夏の暑さを躯体一杯に溜め込んだり、いくら暖房しても壁からの冷輻射が大きかったりで快適な室内を実現しにくい。材料を選ぶ時にはその地盤や使い方、色々な事を考えて決めたい。どこかの雑誌で見た家が格好良かったからだけで決めて欲しくない。
ここしばらくは吹き抜けに白い螺旋階段があってコンクリート打放しの家に住みたいなんて言われるとうんざりしていた。

土曜日に奥山信一さんの新しい住宅を見て来た。塔の家や水無瀬の町家を思い出した。上にあげたような問題が解決される訳ではないけれど、コンクリートには他の材料では出来ない魅力のあることに又気付かせてもらった。

コンクリートについては色々建て前を並べたけれど、洋服や車のはやりすたりのように同じものが回りに増えると飽きてしまう。しばらくすると又カッコよく見えてくると言った問題なのかも知れない。


2005-08-01 カテゴリー: 建築 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)

排熱回収その後

昨日(2005 7/12)、帰ってテレビを見ていたら、ヒートアイランドを取り上げていた。まさにクーラーからの排熱の問題だった。更に排水による排熱も後楽園辺りの地域冷暖房で既に実用化されているらしい。再放送だったので、新聞をひっくり返すと最初の放送は7/9の土曜日だった。私のエントリーが7/8だから、私のエントリーを見てから、テレビを見た人はほとんどいないだろう。
7/9のテレビを見た人がその後にこのエントリーを見たらどう思うだろうか。うんざりして来た。
誰でもとは言わないが、建築畑の人なら沢山の人の知る事実なのだろう。間抜けで情けない話だ。夢が実現するのもちょっとした時間のズレでこんなに間の悪い事になる。
本来自分自身の勝手な備忘録として始めたはずと敢えてエントリーを残すことにはするけれど、気が重い。
ちょっとしたキーワードをきっかけに、思いもよらぬ人の来訪する掲示板。人の目にどう写るのかが気にならない訳に行かなくなって来た。
PS
排熱回収で検索してみるとコージェネやプラント規模の回収装置は既に実用化されていることが分かった。基本的にはラジエターによる熱交換で、200〜300度のガスや100度以上の排水からはそれなりに元が取れるようだけれど、40度や60度の排水や排気から家庭規模で回収する話しではなさそうだ。

2005-07-13 カテゴリー: 建築 | 個別ページ | コメント (2) | トラックバック (0)

排熱回収

ローマ時代には、上下水道から水洗トイレまで備えていたのに、19世紀に都市の下水が完備するまで、牛や馬の糞から個々の家のゴミ、汚物までが、前の道にぶちまけられていたのというのは、本当だろうか。ベルサイユの便所の話は笑えるけれど、明日自分の家の前が汚物だらけになるのは笑えない。今から考えればとんでもないことのように思えるけど、ほんの暫く前まで当たり前の話だったらしい。
都会では夏の夜になっても気温が下がらない。日中の気温は変わらなくても、ムンムンしている都心から橋本や三郷あたりまで行くと、確実に夜の気温が違う。ヒートアイランドの原因として、本来土と緑で覆われている所をコンクリートとアスファルトで覆いつくしてしまったのも原因だけれど、クーラーからの排熱も大きな原因だろう。狭い部屋の中だけ冷やしても、全ての家が部屋の外に熱風をブーブー吹いている現状は、家の前に汚物をまきちらして当たり前だったことに似ている。いつか信じられないと言える時代がきて欲しい。
昔、食品工場でアルバイトをした時に、ボイラーからの蒸気と給水が平行して工場中にはり巡らされていた。どこでも二つのバルブを混ぜれば、水、お湯から、熱湯、蒸気までを取りだせた。掃除に恐ろしく便利だった。ラジエターを付ければ暖房や加熱も簡単だ。給排水と同じように、給熱と排熱が個々の家に完備される日が来るかもしれない。昔の暖房のように蒸気がいいのか、そのまま風呂になるような給湯が良いのか。給熱の方法が分らない。熱交換の効率が上がれば、水以外の媒体を循環させて個々の家は熱だけを受け取ることも出来るだろう。熱の回収もどんな媒体にどう熱交換させるか真面目に考えると難しい。もしかすると給排別の2系統ではなく一定温度の媒体から熱を取り出したり、排熱を押し込んだりすることもコンプレッサーがあれば出来るかも知れない。
実際には社会全体のインフラや個々の家の仕組みも今とはまるで違う用意が必要になる。
ただ、西洋風の下水道がなくても、人糞の回収システムを江戸時代には作り上げたように、もっと簡単な回収方法は出来ないか。
個々のクーラーを水冷にして排水を排熱に使えないだろうか。クーラーの排熱の他にお風呂の排水では既にかなりの排熱を実現しているとも言えないだろうか。逆に冬はヒートポンプで排水から熱を穫れるのではないか。
PS
余った熱を大気という大きなバケツに捨てた積りが、バケツの熱さに我慢が出来なくなった。とすれば集めた熱のリサイクルを考えざるを得ない。暑い夏でもシャワーや風呂に熱の需要は大きい。排熱と給熱はひと組みのモノにするべきだろう。一軒のなかでリサイクルが可能か、或いは町内といった単位か、ある程度大きな単位にするとプラスとマイナスが平均して相殺される、効率が良さそうだ。あまり大きくするとロスも増えそうだ。

2005-07-08 カテゴリー: 建築 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)

MUSEUMS BY YOSHIO TANIGUCHI

暫く前にジャンヌーベルの建築展をみた。彼の建築自体は興味があるし、見せてもらえる情報の質も量も素晴らしいのだけれど、せっかくの内容のサービスの仕方に消化の悪いものが残った。
その点で、奇をてらう事のないストレートな展示が建築そのものと同じように素晴らしい。
新しいメディアについて行けない年寄りの負け惜しみかもしれない。
MOMAの建物も綺麗だけれど、赤いチシタリアと黒いヴィンセントを見てコレクションが羨ましくなった。私だったらウェッジシェープが蔓延する直前の赤くて丸いスポーツカーを集めて一部屋作りたい。デトマソヴァレルンガ、フェラーリP4、アバルトシムカ1300 OT、ジウジアーロのアルファロメオカングーロが欲しいなぁ〜。
谷口吉生のミュージアム展はオペラシティで6/26まで。

2005-04-25 カテゴリー: automobile, 建築 | 個別ページ | コメント (0)

水無瀬の町屋

house-Fやhouse-SAも、色々な事を考えるきっかけを与えてくれる建物ではあるけれど、先生のお仕事の中でどれが好きかと問われれば、水無瀬の町屋と代田の町屋の方がずっと好きだ。水無瀬を初めて見たのは、ステレオサウンド誌のリスニングルーム拝見のような記事だった。高校か浪人のころだ。どこかの大先生が建てた最新のデザインには見えなかった。表面の仕上げはラフだけれど、身近で穏やかで、個人の創意によらずにどこか自然にありそうな、(アノニマスなどという言葉を知ったのはずっと後の事だった)でも良く見ると今までに見たことのない構成的な代物で、無責任に放り出された様でいて、実は全体を強く何かが統制している、どこにでもありそうで、どこにも無い家だった。建物を作った人より住む人の趣味を強く感じた。ただ建物を作った人の趣味と住む人の趣味の境がどこなのか分からないとも感じた。あぁこんな家に住みたいなとも思った。
その気持ちはhouse-SAを拝見した時の建物に対する興味とコレクションに対する興味が私の中で別の所にあるとすれば、器やおもちゃに感じる興味と同じ部分から出てきたものだと思う。
記事の中で設計した人と、住む人が同じことは分かったけれど。大学に入ってからも、目前の厳しそうな先生とあの具合の良さそうな家とが繋がったのは大分後の事だ。
記事の中の三菱の16センチ二発にツイーターを足したラワン合板のスピーカーは東工大の研究室で今も使われていた。若い人には評判が良くなかった。可哀想に。今の音楽をガンガン鳴らすのには向かないけれど、上手く使えば良いスピーカーなのに。

 

2005-01-01 カテゴリー: 建築 | 個別ページ | コメント (2) | トラックバック (0)

Jean Prouve

2CVprouve鎌倉の美術館までプルーベの展覧会を見に行ってきた。鶴ヶ岡八幡宮脇の美術館は大学のころ見て以来だった。あまり良い印象がなかったのだが、久し振りの美術館はなかなか良かった。前より奇麗になったかな?
建築というよりは、住宅に小さい時から興味があった。清家さんや篠原一男、広瀬鎌二、RIAの載った本は良く見ていた。父親の仕事のせいで、イームズの名前は知らなくてもイームズの色々な仕事も知っていた。工事中の木造住宅を塾の帰りに覗いたりもした。
けれど子供の夢は飛行機や自動車に傾きがちで、建築の仕事をしようとは夢にも思っていなかった。ランチアラムダのボディやマーコスの木製モノコック、鋼管スペースフレームからアルミモノコックに移りつつあったレーシングカーに対する興味と建築とはまるで無縁だった。 二つの興味が繋がるきっかけは、中学のころ熱心に読んでいたCAR  GRAPHICに載ったジャン・プルーベのスケッチだった。
ここ暫くのプルーベの人気は大したもので、家具だけでなく、ブリーズソレイユや簡易住宅の実物まで見られた。日本にいたままこんな機会があるとは本当に驚いた。ただ錆びかけたアルミのパネルを見せられてもどこが面白いのかという顔の御婦人もいた。無理もない。
建築や家具のスケッチの他に、自動車や飛行機に関するスケッチがあんなにあるとは思わなかった。特に2CVが好きだったらしい。リブの入ったあのボディパネルだけでも良く似ているけれど、驚いたのはモノコックパネルや前後のトレーリングアームサスのスケッチだ。ミニや2CVには心情的なファンが今でも多いけれど、ここまで分かっている人がどれだけいるだろうか。中学の時に建築にも自動車と同じような可能性があると思わせたスケッチは建築のパネルに関するものだったけれど。一方でこんな絵も描いていたとは。
自分の勝手な思いこみもあながち的のはずれたものではなかったようでとても嬉しかった。
プルーベ一人が建築の世界で特別だったというよりは、自動車や飛行機、その他の当たり前の世界の中で建築だけが一人かやの外だったのではないか。プルーベはあの時代に建築畑でただひとり、外の世界との同時代人だったのではないか。

住む機械という話も、コルの場合は修辞の上での比喩に過ぎない。ほとんどの建築が昔ながらの材料と工法で造られている。本当に住む機械を造ったのは、プルーベとフラーぐらいじゃないか?

2004-12-28 カテゴリー: 建築 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (1)

愛知万博

AITI
愛知万博の現場を見てきた。万博と言えば、各国それぞれの趣向を凝らしたパビリオンが並ぶものとばかり考えていたが、今度は大分話が違うらしい。小さな国はともかく、ドイツ、フランスといった大国まで、日本側が用意した四角い箱に入るだけらしい。今時、万博などに大金を使えないのはどこも同じで、それを博覧会協会が箱はこちらで用意します。お願いだから出て下さいと頼み込んだなんて所らしい。
その箱が又これ以上ないほど、安い。18mスパンで10m程の高さ、ピッチが9mの柱が200角のH鋼。こんなに細くて良いのだろうか。どうも、構造の基準で地震力もX0.7しているらしい。

PS積雪荷重を0.8、風圧力が0.7だそうだ。お詫びして訂正します。

2004-12-23 カテゴリー: 建築 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (1)

house SA

雑誌で平面を見ても、良く分からない。実物を目の前にしても、曖昧で多面的で、やはり良く分からない。この世に二つとない不思議な物なのに、テンションが低くて町並みの中で声高に何かを訴えることもない。中に入って、平面図と断面図を何度か見比べる事で、とぐろを巻いた巨大な一室空間が少し分かってくる。ただ中に入って見ると、明るく、穏やかで、日常的な室内の居心地の良さに、難しい建築の話をする気が失せた。捕らえ所のないことは、実物も雑誌の写真も同じだけれど、現実には坂本先生と奥様の膨大なコレクションで埋め尽くされているせいで随分雰囲気が違う。
イームズの家は工業既製品を使ってといった話もあるけれど、実際にあの家を魅力的に見せているのは建物ではなくて、おもちゃやがらくたのコレクションと、イームズ夫妻の暮らし方自体だと思う。
house SAも現実の問題として、あのコレクションを、どうするかを、考えずに、あの家ができたとは思えない。あのデプスの大きなスタッドも棚を作るのに好都合という側面もあるだろう。
正直に言えば、house SAよりも先生のコレクションに圧倒された。ブリキのおもちゃから、アフリカの民具、中国朝鮮の器、古今東西の布切れ、中でも黒陶のたかつきと、三本足の円筒は私の好みだ。すご〜くいい。欲しいなぁ。たかつきの等高線状の同心円とそれを繋ぐ四角い穴は他で見たことがなかった。先日、上野の東洋館で同じ模様を見つけた。

PS
大学のころ、まだ国立にはハウスが沢山あって、先生はそういった一棟を事務所にしていらした。コンピューターもなかった当時、部屋の中には、製図板以外のものもなかったけれど、良い椅子がいくつか置いてあって良いなぁと思った。
先生の椅子や玩具、沢山のコレクションや立ち振舞い、随分色々なものを拝見して来たけれど、人とは違うところを覗いたりしている内に、肝心の建築の難しい話に関して聞き逃してしまった所が大きい。

PS
写真で見たカルダーのアトリエやボーボワールの部屋も素敵だった。住宅は所詮、素敵な暮らしや生活、創作活動の容器に過ぎない。随分と複雑な操作の結果に思えるhouseSAも、それを上回る素敵な暮らしを内包していることが何より素晴らしい。

house-SA

2004-12-17 カテゴリー: 建築 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)

house-F

80年代の後半、振り返ると随分バタバタとした数年の内に、建築家諸先生方は何をやっていたのだろう。
良くは分からないが、一つには、屋根の形コンテストといった意識があったように思う。奇をてらうだけの意味の無い提案も多かった気がする。
6帖の食堂といった平面や、柱・梁といった架構によって規定されない空間。必要なエアボリュームに沿った自由な領域を実現したことで、house-Fが一等賞だったと思うのは私だけだろうか。
格好の良いファサードと言った、分かりやすい所からは坂本先生の興味が遠ざかってしまう可能性もある現在、あんなに格好の良い道路側立面はもう作ってくれないかもしれない。
以上の2点がhouse-Fの美点だけれど、折角獲得された自由な空間も熱的な環境からは辛い所もありそうだ。house-SAのとぐろをまいた巨大な一室空間にOMの導入を考えるようになったきっかけはこのあたりにあるのではないかと私はにらんでいる。

house-F

2004-12-13 カテゴリー: 建築 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)

上野の博物館

5久し振りに上野に行って来た。一度行ったくらいでケチをつけるのは悪いとも思ったけれど、4度行ってもやっぱり平成館ってやつが許せない、最低の建物だった。そうそう、今日はその話ではない。おかげでという訳でもないけれど、あれほど嫌いだった本館が、随分ましに見えてきた。表慶館と一緒に外側も掃除をしたみたいだ、中の展示も少し手が入ったようだ。1階の北側庭園への出口が小笠原伯爵邸にもよく似たタイル模様でなかなかかわいらしいことに気が付いた。がらがらな部屋の中で十分引いて見られたのが良かった。昔、子供のころ長蛇の列の中で、回りも見えないなかで間近に同じ壁を見てぼそぼそしていて気持ちが悪いと思ったのを思い出した。東洋館も建物は好きでもないけれど、昔は気が付かなかった、青銅器も仏様も中国国宝展にも負けない、陶磁器もガンダーラの仏様も大したものだ。平日の法隆寺宝物館、食堂の外に出てビールを飲むのはなかなか気持ちがいい、柄にもなく少しスノッブかも知れない。大好きだった図書館が奇麗になったのは嬉しいけれど新築部分の中に入るとせせこましくて縦横高さの全てがおかしい。

2004-11-12 カテゴリー: 建築 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)

母の家

vanna_venturi_housevisiting_nursesbeach_house美大の建築に行こうと決めて、予備校に通い出した頃から、本屋に行くと薄くて大判の奇麗な本が、白くて廻る本棚に刺さっているのは分かっていた。ロンシャンや落水荘は知っていたけれど、チャンディガールやマルセイユのコルビジェを見て、まぁなんてカッコイイと思ったのを覚えている。(正直に言えばポールルドルフも男ラスィーと思った、今は何とも感じないのはなぜだろう?)その中で一冊だけどうしても腑に落ちないというか、訳が分からなかったのが母の家だった、他の見るからに立派な’建築’の中でモルタル塗りの冴えない住宅が一軒だけ混じっているのが不思議だった。それがいつだか正確には判らないけれど、学校に入った頃にはもうどうしようもなく格好良く見えて来ていた。だからなまじ建築家に頼んでしまったばかりに訳の分からぬ家を建てられてしまった人の困惑が良く分かる。私たちが勉強だかなんだか知らないけれど、学校なんぞに行ってしまうとお客様の好みとは随分違う所に行ってしまう。専門家としてお客の知らぬ事まで考えて置くことは必要だけれど、変わってしまった好みを以前の自分に押しつけるだけの理由がまだ見つかっていない。
母の家は今でも好きだけれど、もっと好きなのは、派遣看護婦協会とビーチハウスだ。

2004-10-26 カテゴリー: 建築 | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)

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