去年、引っ越した新しい部屋は、IHヒーターと深夜電力の給湯が付いていて、ガスが一切付いていない。
今どき風に言えば、(建物は古いけれど)オール電化というやつか。
どうも、全部電気と言うのは、原子力発電に賛成せざるを得ないようで、あまり気が進まない。
確かに、作るのに手間が掛っている分、電気は何をするのにも、ハンドリングが良い。
全てを電気にしたがるのは、いわしや鯖が美味しい事だってあるだろうに、
何時でも海老やまぐろを食べたがるのに似ている気がする。
食物連鎖の高いところで食べる程、ロスの多い、エコから遠い話になるのではないか。
(まぐろや牛の好きな方には申し訳ないけれど、私はあじ.鯖.さんまと豚が好きだ)
給湯や暖冷房には、太陽熱や地熱、風力といった害のないエネルギーを、なるべくエネルギー変換する事無しに使って行きたい。
熱源の種類の前にずっと少ない熱源で快適に暮らせるための、断熱や風通しも重要だ。
深夜電力を使う給湯は安上がりに聞こえるけれど、使わない間にも、どんどん冷めて行くのを保温するために、ニクロム線で高い電気も随分使うのではないか。私は給湯についてはガスの方が良い気がする。
ヒートポンプ式の給湯については随分具合の良い物ではあるらしい、只高いイニシャルコストをほんの少し下がった電気代で取り戻すのはまだまだ大変だと思う。
ニクロム線による深夜電力の給湯は無駄が多いと思う。
電気については色々、心配な所もあるけれど、実際に使い出したら、IHヒーターそのものは意外に使いやすい。
何より、火力が強くて、見ている間に、お湯がグラグラ沸き出すのには驚いた。
火を使わないので安全だし、吹きこぼれてもガラスパネルの掃除も楽で、鍋の底も汚れない。
これは、私がいくら嫌がっても、これから増えて行くのは避けられないだろう。
料理については、自分の食べるものぐらいは作るけれど、自信がある訳でもない。
人様の家に、IHヒーターを入れるべきかどうかを問われることもあるかも知れない。
IHヒーターについて、実際に使う人や売る側の詳しい意見も聞いて見たいと思っていた所に、AEGの料理の講習会を兼ねた説明会があったので行って来た。
色々な説明もあったのだけれど、興味深いデータがあった。
日常使用する電化製品の発生する電磁波について。
IHヒーターは、10センチで3〜14mg、30センチで0.7〜6.4mg、
ドライヤーは、10センチで30〜50mg、30センチで1.3〜1.5mg、
携帯電話は、0センチで5.8mg、10センチで0.3mg、
電子レンジは、10センチで100mg、30センチで30mg、
どれも国の基準、1000mgを大幅に下廻るという話だ。
携帯や電子レンジを使っている限り、IHヒーターの心配をしても始まらない、ということらしい。
ただ、国の基準自体を信じて良いものか。
薬の基準だって、耐震基準だって、人が死んでから、慌てて変える国だからなぁ〜。
PS
原子力発電について、エコロジーという情緒的な反感というよりは、始末に負えないゴミを造り出すことのトータルコストの高さが気になる。
最近はCO2の排出が少ないと評価されているけれど、CO2より高くつく気がする。
大変な熱を出して温暖化に直接貢献しているようにも思える。
もっと、正直に言えば、膨大なエネルギーを熱としてしか扱えず、結局蒸気にしてタービンを回すというあたりが、情けない。まるで19世紀みたいだ。
いずれにしても、真空管のアンプといった能率の悪い電気の使い方をしている人間には、エコロジーを語る資格はないのかも知れない。
PS
家庭の中で炎を見ずに育つ子供達に取って、バーベキューやキャンプファイヤーは随分とワイルドなものに写るだろう。良いんだか、悪いんだか?