森美術館って所に行ってきました。六本木ヒルズに映画を見に行った時も整理されない動線計画やガチャガチャと賑やかだけど貧相な設えにうんざりしました。森美術館への動線にも同じ様に判りにくくて雑多で貧相な物を感じました。券売り場のオネエサン達の様子からすると、少しはお高く見せたいという意図が無い訳じゃ無さそうです。けれど浅草の裏で怪しげな見世物小屋を覗いている様な場末な感じです。何十年か前に建って、すでに哀愁漂う東京タワーや京都タワーにも似た感じを受けました。村上なんとかの五百羅漢には絶妙な場所だと思います。
何かを整理して判りやすくしようと意識が無い様に思います。あれとこれと詰め込むのに必死なんでしょう。やはり目先の商売しか考えられない不動産屋に任せればこんな所かと落胆しました。商売第一だからこそ格好の良いモノが出来て欲しい。偉い作家先生の自分勝手より使いやすいモノが出来て欲しい。・・・そうは、成らなかったみたいです。ミッドタウンにも別な不満がありますが、少なくとも美術館で何かに対峙しようという時の静謐は確保されていた気がします。
いつだったかの浅草のアミューズミュージアムのアプローチを思い出しました。アプローチの段階では既に食傷ぎみでした。
建築に興味を持ってから随分経ちます。丹下さんの代々木に対する敬意と都庁にたいする疑問に差がある様に、当時の篠原さんや磯崎さんの輝きが今も同じかと言われればそれは違う気がします。スターリングも死んじゃいました。今だに同じ輝きを保っているのはフォスターぐらいじゃ無いでしょうか。良い仕事を長い時間続けるのも難しい事ですが、一つの仕事にも色々な面があって全てに渡って建築ってこんなに格好が良いんだと胸を張れる人も少ないと思います。スケッチが格好良いんですよ。何本も線を引いた上にトレーシングペーパーを重ねて清書したなら解ります。あれをいきなりサラサラと描いちゃうのかなぁ。凄いなぁ。
最近のお仕事もありましたが、昔から憧れていた仕事の幾つかを再認識出来た事が嬉しかった。とにかくスケッチも模型もめちゃくちゃ格好良い。この間見たゲーリーも面白かったけど、ザハやゲーリーは新手の建築ギャングであってフォスターこそが建築の本流、エスタブリッシュメントだと思いました。会場へのアプローチにも1800円にも抵抗がありますが、フォスターはお薦めです。超格好良いと思います。
斬新で格好の良い解決が独りよがりにならず、必ず構造や光、環境負荷の裏付けがされている所も格好良いのですが、時々設計者の説明通りに受け取って良いものか、本当の所はどうなんだろう、鏡やガラスの掃除が大変とか、夏暑かったり、雨漏りしたりしてないだろうかと心配にもなります。
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