サンオーディオのプリアンプキットにはインプット、アウトプット両方にトランスが付いていました。別置きのLUX CD用トランスと合わせて組み合わせには色々な選択肢がありました。
CDからの入力だけトランスを通したり、逆にPhonoEQからだけはトランスを飛ばしたり、インプット・アウトプット両方に入れる手もありました。トランス以外に真空管だコンデンサーだといじり出すとキリがない。不思議な物である程度いじると逆にどうやっても変えられない機械自体の個性がやっと見えて来ます。そこまで結構な時間が掛かります。
ずっと以前に使っていたLUXのA3500もそうでしたが、良い音の為にいい機械を捜すのであれば早々に結論が出たはずです。何年も使うはめになった理由は機械の性能が他より優れていたからでは無かった様に思います。色々手を入れる事が出来るキットは見極めるのに時間が掛かると言う事でしょうか。
何十万、何百万の機械を取っ替え引っ替えするのもオーディオですが、コンデンサー一つで一喜一憂するのもオーディオです。どちらも結果より過程を楽しんでいるのだとすれば、時間の無駄とも言い切れないかも知れません。
プリアンプ以外で講じた、硬い音対策の効果もあって、最後にはトランスを全部飛ばしてしまいました。CDはフラットアンプを通して、Phonoはセレクタ・ボリュームのみを通して使っていました。
部屋の事情でオーディオを諦めていた時期も含めて20年近くも使う間、何度か他のプリアンプも試して見ました。プリアンプ単体で見れば明らかに優れたアンプもありました。システム全体がCDとこのプリアンプを前提に出来ている所為もあって他のアンプはアウェーの不利を覆す事が難しかった様です。
明るくて乾いた音のアンプはCDの硬い音とは相性が悪い様でした。どちらかと言えばウェットで柔らかい音のアンプがCDの欠点を隠してくれる様でした。ゲインの高いアンプも能率の高いスピーカーを使うのには不利でした。
本来、角の丸くなったり、柔らかいのが自慢のアンプは好みではありません。音源の中でCDの優先順位が下がればプリアンプの選択も変わって来ます。手持ちの幾つかの中でどれが良いのか結論には時間が掛かるとは思いますが、暫くは山本音響工芸の直熱5極管って奴を試して見ようと思います。
PS
スクイーズボックスからはプリアンプを飛ばして直接パワーアンプに繋いでいます。ダイレクトな音が魅力的です。一概にプリアンプを入れるべきだとも言えない様です。PCのi-tunes、airmac express、ベーリンガーのSRC2496、YOKOYAさんのDACと繋いだ音源も直接ディバイダーに繋いで見ました。こっちはプリアンプを入れないとダメみたいです。
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