3ウェイ化
2ペアの300Bシングルモノラルアンプを500Hzの上と下に分けて、2ウェイのマルチアンプを組んだ訳ですが、上と下どちらにどのアンプを使うべきか。
最初はやはり下が大切と考えて、虎の子の是枝式300Bシングルを500Hzから下に、310A-300Bの無帰還シングルを500Hzから上に、使ってみました。
これは逆でした、500Hzから上に良いアンプを使った方がずっと解像度も音色も良好です。
必ずしも、上下を同じアンプで揃える必要も無いのだとすれば、チャンネルディバイダは3ウェイまであるし、低域を余っているQUAD606にすれば、3ウェイが組めます。
2ウェイの上に6dbローカットのコンデンサーを入れて、トィーターを足して見ました。
高校時代に大奮発をして買ったヤマハのJA-0506です。
トィーターを足して3ウェイにする事も、無意味では無さそうです。
フルレンジで夫々のアンプを比べれば、一番良いのは是枝式、QUAD606はもう一組の300Bシングルより解像度で劣ります。
クォリティの劣るアンプを入れるマイナスと、3ウェイを組む事のプラスとどちらが大きいのか、心配もありましたが、3ウェイを組む事のメリットの方が大きいようです。
昔、QUAD606の前に使っていたEL34三結PPに比べて、606の中高域は良くなったとは思わなかったのですが、ポインターシスターズのリズムは格段に切れが良くなりました。606の低域はそれほど悪くないと考える事にしましょう。
606(トランジスターアンプ)が入ったことで、上下ともに同じ真空管で揃えようといった拘りも意味が無くなりました。
一番効果の大きい500Hzから8000Hzの是枝アンプに、取っておき、1ペアしか無いWE300B(再生産)を投入してみました。
世の中のWE神話はしゃくですが、やはりWE印の効果は絶大です。
音が良くなっただけではありません。中域のレベルも上がりました。
ディバイダのレベルで2目盛り下げました。
3ウェイ化とWE300B、全体にかなりの効果がありました。
何せ能率の高いユニットばかりを使っていると、SN比の確保が大変です。
ハムはなんとか我慢の出来る程度に押さえ込みましたが、8000Hzから上、トィーターからのマイクロフォニックノイズ、フリッカーノイズが気になります。
無帰還のST管三結アンプに109dbのトィーターをつないで残留ノイズを出すなというのも難しい話かも知れません。
ひとつ前の管球王国に上杉佳郎氏は、
高感度ホーンユニットをマルチアンプ方式でドライブするためには、小パワーで良いからローレベル時の音が美しいアンプでドライブしなければ駄目で、傑出したSN比を誇るアンプでドライブしなければ駄目、このような訳でミッドローとミッドハイ用のアンプはEL34の三結シングル(パワーは4W)としており電源部にLとCによるπ型フィルター2段を設け、さらに入力感度を低く設計してる。
と書いてあります。
まさに、今の私に必要なのはこういったアンプです。
マルチを始める前は、300B、50、DA30と言った名真空管や、211.845と言った大型管、大きなトランスや電解コンデンサー、に興味が向きがちでした。
EL34三結シングルでSN比に優れたゲインの小さなアンプがステレオで3つ欲しくなりました。
PS
1ペアだけ持っていた再生産WE300Bの片方を壊してしまったのは、ベースとガラスの間にぐらつきがあってどうにかしようとじたばたしていた時でした。
ヤフーオークションに再生産WE300Bが1本で出ていたので買ってみたらこれもガタがあったらしく、接着剤が付けてありました。
私の手にした再生産300B、3本のうち2本にぐらつきがあった事になります。
音に関してはさすがに本家と唸らせる物がありますが、品質監理に疑問が残ります。
QUAD606については評価の低いと取られかねない表現になってしまいました。解像度についての話も極く微妙なレベルでの差です。
一般的なもっと大きくて高価なパワーアンプに比べて、ずっと楽しく音楽を聞かせてくれる良いアンプだと思っています。
405の中古にはそれなりの人気があるようですが、オークションでの606は不人気です。
その実力に比べて不当に評価が低い、いつか値段の上がる時が来ると私は考えています。
中古の606、オークションに出ていたら、今が買い時だと思っています。
(私自身は100Wを超える様なハイパワーアンプが必要では無くなりました。)