上の写真は修理に出す前の座のクローズアップ、古くはなっているけれど、籐に傷がなくて、緻密な編み方、何より丸い座の周囲の穴に一本づつ籐を通して、丸い座の上で編んであるのがわかるだろうか。
下は今回の修理後の写真、これは他所の平面上で大きく編んだシートを丸い座に合わせてカットしている。周囲に溝を掘って外周の端部を溝の中に押し込んである。とっても合理的な方法だとは思う。
もし、上と同じように座に合わせて一本づつ編んで行くと修理費は45000円だそうだ。
最近は籐の質が落ちているという話は聞いている。しょうがないのだと思うけれど、籐にはあちこちに傷があって簡単に切れてしましそうだ。
あまり座ったりはしない方が良いかも知れない。座れない椅子、トマソンのようなものか。
或いは、これは椅子ではないと貼り紙をしようか。
いずれにせよ、用をなさぬ芸術とでもいえるものが、我が家に誕生した。オタクにとってのフィギュアみたいなものかも知れない。
部屋の中に綺麗な椅子があるのと、破れた椅子があるのとは随分感じが違う。
籐の質が悪いのも、誰かに一本づつ編めとも言えないのも、この時代のせいで今回の修理のせいではない。
修理自体は大変迅速かつ真摯にやってもらった満足している。
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