トランプ氏の言う、’日独韓を守る為の駐留なんて止めてしまえ、ボデイガードが欲しければ金を払え’は順番に間違えがあります。日独各々の戦力を抑制する為にアメリカが始めた事です。目的も間違えています。冷戦では日独韓が東側との最前線になりました。その後も、広大なユーラシアの両端に足場があれば、太洋を超えてアメリカから出て行くのに比べて速い展開が可能です。米国本土と合わせて地球を3か所から睨む事ができます。地球のどこで何があっても、急行できます。その為の拠点が欲しくて沖縄にいます、日本を守る為ではありません。
ただこうした事はアメリカが世界に関与したいとの動機を持った時に初めて必要になるものです。建国以来アメリカは列強の世界分割に遅れて自分もおこぼれに預かりたいとの野心と、大西洋と太平洋とに囲まれて一切の脅威に晒されない、石油は出るし、食べ物にも困らない、他所に出て行って自国民が死ぬのなんてまっぴらと考えるモンロー主義との二極を行き来してきた国です。二次大戦でも渋る国民に参戦を促すプロパガンダが必要でした。真珠湾は願ったりだったと思います。世界中に出しゃばる一方で、他所の世界に関わりたくないのも本心と言えるでしょう。
ヒットラーに扇動されたドイツ人、神国日本が負けるはずはないと根拠もなく浮かれた日本人だけが馬鹿なのでしょうか。いやいやアメリカにだって面倒な話は大嫌い、簡単な話の大好きなDQNが沢山います。トランプ氏の間違いと言うよりは難しい話の嫌いなアメリカ人の本音と受けとるべきでしょう。
ひるがえって日本です、アメリカへの服従はいやだ、自前の国防を考えたいとの保守にも、米軍の沖縄駐留に反対の左翼にも好都合の筈ですが、賛成の声を聞きません。私はここでトランプに賛成するのも悪くないと思います。アメリカがどこか他所の紛争に飛び出していく為、欲しいと言うから貸してやってる事をはっきりさせるべきでしょう。外務省や岡崎某の様な追従以外に何のヴィジョンも持たない従米ポチが慌てるのは仕方ありません。
本音で言えば、たとえ目的が日本を守る為でなくても米軍のいる限り中国が沖縄に手が出せないのも事実です。守って欲しい日本と、足場の必要なアメリカ。先に本音を吐くのはどちらでしょうか。今の日本には諸国民の正義に頼って生き抜く為の戦略も外交も、降りかかった火の粉を払う戦力もありません。時間が必要です。アメリカだっていきなり明日全て撤退なんて出来ません。軍には軍の都合があります。アメリカにも時間が必要です。落とし所がどこかは判りません。一つだけ明らかなのは、日本がいてちょうだいと頼む前にアメリカに足場が欲しいと言わせるタイミングを計る必要があるでしょう。
アメリカでも世界に野心を持つ、お勉強をした人達(エスタブリッシュメントと呼ぶのでしょうか)はDQNとは別の本心を持っています。今まで日本に恩を売るため、沖縄に居るのは日本を守る為では無い、アメリカの都合だと本音を出すのは憚られました。エスタブリッシュメントと軍はアメリカ国内でも、難しい話の嫌いな人達にアメリカ自身の都合だと説明せざるを得なくなる可能性も出てきました。この点においてのみ、好機と考える事も出来ます。
ゆくゆくは駐留を無くしたい、ただ今すぐ全てを無くす事には無理も有ります。暫時そうした体勢を作っていく間、日本の為にいるのか、アメリカの都合でいるのかは事態を左右します。
コメント