坂本先生の代田の町家が、取り壊される事無く新しい持ち主に引き継がれる事になりました。嬉しい限りです。なにせ1977年だか76年だか竣工の建物ですから相当に痛んだ所も有りました。新しい持ち主を迎えるに当たって、先生ご自身の事務所で手をいれた様です,改修工事が終わって拝見する機会を得ました。隙間の出来た竪羽目の壁はペンキを塗り直すぐらいしかやる事が無いのは仕方が有りません。驚いたのは主室壁面の吹き出し口です。ある時期の篠原さんや坂本先生のお仕事を特徴づけるものだと思いますが、これを又活かしたのだそうです。床暖房もボイラーは替えたかも知れませんが大理石下の銅配管も活かしたそうです。キッチンや洗面、浴室は今の基準でやり替えられています。今までこうした水回りにもストイックな姿勢を崩さなかった先生ですが、浴室のテラゾータイルは昔の倉俣さんを思わせる可愛らしいものです。新しいオーナーの御意向だったり、事務所の担当者の好みだったりが考えられる所ですが、先生ご自身の中にもこうした可愛い物を許すお気持ちが有っても不思議はありません。
追伸、お風呂のテラゾータイルについて先生に訪ねた所、お施主さんの選択だそうです。先生ご自身では’根拠の無い事はしない’と仰っていました。
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