話題満載のイングランド戦ですが、’超速ラグビー’について触れない訳に行かないでしょう。結果的には経験のない若手が、ただ速く速くと焦っても、それでどうにかなる程甘い世界で無い事は明らかでした。エディーさんにして見ればマスコミや沢山の俄ファンを呼び込むのに何か分かり易いお題目をサービスしただけだと思います。ただまるで根拠の無い出鱈目でも無いんです。エディーさんは日本の超速ラグビーをイングランドのHCとして受け止める側だった事が有りました。日本でのワールドカップの前だった気がします。ヨーロッパまで遠征した日本は前半をそのスピードで圧倒しました。コテンパンにする所までは行きませんが、こんな筈はないと慌てさせる所までは行きました。肉弾戦に自信のあるイングランドは一度出来たモールやラックに後から捲り上げようと集まってしまいます。ポイントに日本より多くフォワードを集めた所で日本の早い球出しを喰らうと後手後手に回ってしまいます。後半は一度出来たポイントにピッタリ入って来なくなりました。きちんとディフェンスラインを引かれると1対1では不利の日本に勝ち目は有りません。あの時はイングランドに負けたと言うよりエディーさん一人に負けたと思いました。速いピッチを防ぐ方法もうまく使えば武器になる事もエディーさんは知っています。
超速ラグビーってプレイを速くする事だけじゃ無いんだよとも言ってます。早い状況判断と戦略も必要ですが、先発の若手にそれが欠けていました。原田・李・矢崎のセンターラインが後半、坂手・松田・山沢に交代した途端にゲームの流れが変わりました。リーグワンで後半出て来る堀江みたいでした。先発組だってそれなりの経験はある筈ですが、レベルが上がると判断が追いつかない事はよく有ります。ベースラインで打ち合うテニスの練習でも少しレベルが上がると打ち返すだけで精一杯のアップアップになるのは良くある事です。行く行くは先発の若手にこうした状況の判断力を付けて欲しい訳ですが、今の所は坂手・松田・山沢とは大分差が有ります。その中でも代わって出てきた若手 藤原・山本の活躍は印象的でした。昔は情けない負け方を沢山しました。ここの所こんなに得点差を付けられていませんでした。後半選手を替えていきなり2トライをもぎ取りました。あそこが現在の実力だと思います。ただそれでは4年後の準備が出来ないんです。ジレンマですね。反省点は他にも有りますが、しっかり組めた時は押されなかったスクラム、少なくともラインアウトからのモールも真っ直ぐ押されている内は押されませんでした。良い所も有った気がします。(少し揺すぶられたり、押す所を変えられると経験の無さが露呈していましたけれど)
マーカス・スミスは魅力的でしたね。彼もエディーさんが代表に上げた選手です。ジェイミーとトニーは兎に角言われた事だけやる固い選手しか使いませんが、エディーさんは才能のある選手を選ぶ事に躊躇が有りません。山沢の一番良い時に外れた事が本当に残念です。
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