ターンテーブルで回すレコードに好きなカートリッジを載せて、昇圧トランスやトーンアームを比べている頃は ああしたいこうしたい、直したい所が沢山有りました。けれど高いトランスやトーンアームには中々手が届きませんでした。予備校がお茶の水に在って、秋葉原は近所だったので色々なお店で聞き比べをさせて貰いました。色々なスピーカーやカートリッジ夫々の大まかな傾向も区別が付きました、欲しい物がいくつも有りました。
アンプから後、スピーカーまでは今でも、ああしたいこうしたいが有るのですが、DACより前、デジタル部分についてどうすれば良くなるのか見当も付きません。人様の経験談や発言を伺うしか無いのです。雑誌や NETで飛び交うセールストークとそれに騙された人の妄言が全て出鱈目であれば事は簡単ですが、こんな物に騙されるのは悔しいなと思いながら買ったアクセサリで音が良くなった事が有ります。効かなかった事も沢山有ります。
世の中ではでアクセサリやケーブルで音が変わってたまるか、と言い切れる人も居ます。私もそうあって欲しいと思っています。OFCが出てきた時には随分期待してアンプの配線を全部替えましたが差が分かりませんでした。オルトフォンのアームケーブルを8ミリは有りそうな同軸線2本(ネグレッックス2497って言ったかな)に替えた時は線が硬すぎて接続不良を起こしました。
私自身ケーブルに何十万なんて話を聞いても羨ましいとは思いません。それは高いケーブルの効果を知らないからでは有りません。そんなお金が有ったら他に使いたいからです。
けれどCDの硬くて薄っぺらな音に困って居た頃、PC-OCCのケーブルではもっと硬くて細い音になりました。(そうした効果が分れば別の所では役に立ちました)大まかに言って分解能を上げると音は硬くなる傾向が有った気がします。アクロテックの安い6N RCAケーブルは分解能が上がって尚、音が柔らかくなって驚きました。CDの硬い音対策として挟んだトランスが要らなくなりました。細い2芯の電源コードを6Nに替えただけで低音がまるで変わった事も有ります
私の周りにも電線で音が変わってたまるかバ〜カと言い切れる人が何人か居ます。アンプを作ったり設計したりする人ほどその傾向が高いと思います。6Nケーブルを有り難がっている私なんぞは軽蔑されているのでしょう。反論する気は有りません。高いケーブルやアクセサリに頼らず良い音が聴けているのですから、寧ろ本当に羨ましいと思います。