ESL57については全てをやり尽くした。なんでも知っている。最高の音で鳴らす自信があるなんて事を言い出す積りは毛頭御座いません。かじったのはほんの少しです。けれど何年か使う中で感じた事を幾つか残して置きたいと思います。
背後を何も無い壁に付けて鳴らすのは具合が悪い事だけは確かめました。私の場合は棚の手前に他のスピーカーやアンプがあってその又前に置いた訳ですから、何も無い壁からどれだけ離すべきかについては判りません。背後に空間が必要だとだけ言って良い気がします。
左右のスピーカーはなるべく離す方が良いと思います。普通は左右の壁とスピーカーは付けない方が良いと思いますが、壁に付けてでもスピーカー間を広く取るべきだと思います。そうすると左右のスピーカー間、少し奥にポッと浮かぶ様に音像が定位します。
平行に並べる配置が望ましいとのご意見もある様ですが、左右の間隔を少しでも取る為に少し内向きにしました。
できれば10センチか15センチ持ち上げて、中央の後ろ足は更に3センチほど持ち上げると、ずっとメリハリが効いて来ます。後ろに倒れて天井を向いた様な本来の置き方にはゆっくり安心して聴ける良さもありますが、後ろに倒れていたスピーカーを聞き手の正面を向くまで起こして、更に全体に位置を持ち上げるとぐっと良く鳴ります。持ち上げるのは5センチでも効果が判ります。
付属していた細い平行二芯コードが本来のオリジナルかどうか判りませんが、スピーカーコードを昔のアクロテック6nコード(これも何十年か前の物ですが)に変えたら良くなりました。現行の物ならもっと良くなるでしょう。スピーカーコード以上に効き目があったのはACコードでした。これも電源用でなく昔の6nスピーカー用コードでしたが、効き目がありました。新しいpc-TripleCの電源用など試してみたいところです。更にNSのアモルメットコアを通したら雑音が消えたと言うかSN比が良くなった様に感じました。こちらの方が効果は大きかったと思います。信号側のスピーカーコードにもアモルメットを試しましたが、こちらはその差が良く判りませんでした。スピーカーコードよりACコードに良い物とアモルメットコア、これは絶対のお薦めです。
ウォーミングアップが必要とは良く言われる所です。どうすれば良いのか。小さな音を少しづつ大きくしたり、色々やって見ましたが、電源を入れて30分は放っておくのが一番良かった気がします。
広い周波数特性の透き通る様な音と言うよりは、限られた範囲の中での充実を目指した音に感じました。少し線が細い時、DACとパワーアンプ間にプリアンプをバッファーとして挟むのも効果がありました。バリッとしました。
QUADのアンプが最高だなんて思っていません。もっと良い機械は沢山あるし、それらを使えば良い音もするでしょう。けれど一度QUADのアンプで鳴らす事をお薦めします。私は44+405で鳴らしてみました。うっすらベールが掛かって解像度や音の粒立ちは落ちます。けれどQUADが考える 家庭で音楽を楽しむ為の音とはこういう事かと深く心を打たれました。人間の価値を考える時、能力や偏差値より人柄や人格を大事と考える事もあるでしょう。こんな例えでどこまで伝わるかは判りませんけどね。
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