何十年も忘れていました。ネットで見つけたシトロエンGSカマルグ。(イタリアのカロッツェリア:ベルトーネによるシトロエンGSを元にしたワンオフの1972年ショーモデル。ジュージアーロがベルトーネを辞めたのが65年、ガンディーニにデザイナーが変わったのが66年です。79年までベルトーネにいたそうです)
自分で持っていたのはXantiaだけですが、GS,AX,BX,CX,ZX,XMと、色々なシトロエンに乗せてもらった後では思う所が幾つかあります。シトロエンには乗った事もない中学生の当時の感想(格好が良いか悪いかだけの見方)とは違う所も出てきました。
シトロエンにはシトロエンなりの美しさがあると思います。けれどどこかに不恰好と不整合。矛盾する様ですが日本人には判りにくい合理を孕んでいて、ピニンファリーナの健全な美しさとは違っています。その中で例外的にGSやCXには他のシトロエンには付き物の形の上での破綻が少ない気がします。私自身はGSが、シトロエンの中では一番綺麗な子だと思っていました。カマルグのデザインは勿論ベルトーネに依る所が大きいわけですが、全体の流れにGSに通じる物を感じます。
非力なGSのフロアパンに皮を被せただけですから、パワフルなスポーツカーである筈は有りません。いくら綺麗なおべべを着ても裾から隠しきれないシトロエンの癖みたいな物も感じます。ディテールの処理にもシトロエンらしい所が残っています。
匂いや癖までが味のうち、頭や目でしか車を評価出来なかった中学生とは受け止める場所が違って来ました。綺麗なボディも魅力ですが、速く走れる訳では無いでしょう。それより裾や襟からシトロエンの匂いを感じます。
ストラトスとは時期も近くて似た物を感じます、リアのホイールアーチにはカウンタックがうっすら見える気もします。もしガンディーニだとすれば、いつもの臭みがありません。ずいぶんクリーンなラインです。BXやカウンタックより私はこのカマルグとシュペール・サンクの方が好みです。
BXやアルピーヌ、もしかしたらシュペール・サンクの顔にも似てるかな?
ウィキペディアで確かめたら、大好きなアルファ1750ベルリーナもガンディーニの作品だと知りました。BXやカウンタックにガンダムめいた物を感じて距離を取っていましたが、カマルグ、シュペールサンク、1750ベルリーナと並んで、初めて自分がガンディーニ好きな事に、この歳になって気が付きました。
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