カズオ・イシグロのNever Let Me Goは本当に良く考えて作られたお話でした。およそ在り得ない状況を成り立たせる為にはビックリするほど丹念な映画化が必要でした。お馬鹿バラエティしか作れない日本のTV局にそうした事が出来るようには到底思えませんでした。馬鹿にしていて見る気も起きませんでした。今週になってたまたま見かけた第3話の無料動画をチラッと覗く積りが一話見通してしまいました。思っていたよりずっと良く出来ていました。ビックリしました。主な3人のうち、主人公と男の子の役は大して難しい訳じゃない、イノセントな所が伝われば良いのかな。キーラ・ナイトレイの役を水川あさみが良く演っていました。でもねあまりに演技が説明的なんですよね。全てを劇中のセリフで説明しようとするから底が浅くなっちゃう。脚本とか演出の問題で彼女が悪い訳じゃない。提供(ドネイションって事でしょうか?)って言葉で理解をさせてしまう事より、説明のつかない大きな仕組みの一部を少しづつ見せて行く事でずっと大きな怖さや理不尽が暗示出来た気がします。喋りすぎ、演技しすぎ、説明のしすぎが残念です。(先週見てもらっているとは限らないテレビの弱さゆえの説明である事は分かります。)
PSその後3回動画サイトで見る事が出来ました。文句が無い訳ではありません。けれど凡百のテレビドラマとは桁違いの注意と手間が注がれている気がします。努力を誰かが評価しないと二度とこうした努力が認められなくなってしまいます。私が何かの役に立つとは思えませんが、応援したいと思います。
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