ケーススタディハウスやアイクラー・ホームズ、イームズやミッドセンチュリーモダン、と言った問題が語り尽くされているとも思えませんし、全てを見知った訳でも無いのですが、こうした文脈に沿った記事や催しは安易な物が多くて、更にフィフティーズのファッションなどと言えば通俗の極みへと墮ちて行きかねません。見飽きた写真とありふれたコメントが並ぶものには行く気も起きないなんて思っていました。カリフォルニア・デザイン1930〜1965展へ行く気になったのはAkiさんのブログにStudebaker Avantiが出ていると書いてあった所為です。
(見た事も、聞いた事も無い物が沢山ありました。特に陶磁器や女性の服装、テキスタイルに対する視点は今までに無い物で興味深く感じました。展示されたアメリカの女性服の立体的な事に感心する一方でその腰回りの巨大な事に尻込みしました。今まで日本の女性が扁平で貧弱に見える事がありました。けれど、日本女性ならではの美しさとも感じる様になりました。陶磁器も図面も全てが大きくて、逆に言えば日本人は小さな物が好きな事を再確認しました。)
で、Avantiです。 Akiさんはペラペラでラジオのデザインの様だと仰ってました。これはローウィデザインを売らんが為のデザインであって商業主義の走狗と捉えた事に依る物でしょう。役に立つ丈夫な道具を目指したジャーマンプロダクツ、ご自身が手元に置いて来たビートル、ポルシェ、ベンツが比較の対象にあったのでしょう。アバンティの相対的な位置を測るのに良い指標だと思います。
一方で、羽振りの良かったアメリカの象徴、ロケット型のバンパーや羽根が一番巨大化したのは59年頃でしょうか。こうしたクルマをデトロイトの売らんが為のデザインとすれば、その後に生まれたアバンティのデザインは随分、慎ましくシンプルで上品だとも言えないでしょうか。
そういえば2004年に渋谷の「たばこと塩の博物館」でレイモンド・ローウィの展覧会がありました。「たばこと塩...」ですからピースのパッケージデザインが取り持つ縁ですが、図録を見ると、このStudebaker Avantiはトヨタ博物館から借りた、模型とカタログが展示されていましたです。
投稿情報: iGa | 2013-04-14 23:29
そうかトヨタ博物館なら持っているかも知れません。
展示されていたのは、模型とカタログだけ?
実車も並んでいたのでしょうか。
今回のはピーターセン自動車博物館と書いてありますから
アメリカから来た、別の個体なんでしょう。
投稿情報: kawa | 2013-04-15 09:10