人力飛行機やグライダーが極端に長い翼長を持っている事はご存知かと思います。自転車をこぐ様なスピードで人間の体を浮かせるのにはあれだけの翼が必要です。低いスピードで機体を浮かせるのには複葉機なども効果的です。ですが少しでも飛行スピードを上げようとすると長い翼の抵抗と機体強度の釣り合いに無理が生じます。逆にジェット戦闘機の様な小さくて後退した羽根は速く飛ぶのには適していても、遅いスピードでは浮く事も出来ません。
空母そのものは随分前からあるものですし、複数の国にありました。けれど軽い零式艦上戦闘機を自走で飛ばす滑走路や火薬式などの古いカタパルトでは、大きくて重いジェット戦闘機を浮かせるだけの初速を与える事は出来ません。(飛行機を自走で浮かす為には空母自体が風上に向かってとんでもない高速で走る事が必要です)
ジェット戦闘機を何十機か続けて打ち出せる蒸気カタパルトの技術を持っているのはアメリカだけです。英仏印露と空母を持つ国はあってもその能力は極く限られたものです。(仏空母のカタパルトもアメリカ製です)こうした圧倒的なアドバンテージは一朝一夕に出来る物ではありません。戦後レシプロ機をジェット機に換装して行く中でアメリカは多大な犠牲を払っています。不備なカタパルトと着艦装置の所為で多数のパイロットを犠牲にしています。
オスプレイの名前を聞いたのは最近かも知れません。けれど飛行機とヘリコプターとの不思議なあいのこを何十年も掛けて実験して来ました。既に何十年かに渡って何十人もの人を殺して来ました。
遅くて行動半径の小さなヘリコプターに頼る限り、全世界への迅速な対応を実現出来ない海兵隊はその存続の意義を問われる所でした。
何が何でも実用化が必要でした。アメリカは既に大きな犠牲を払って来ました。
日本はもう暫くだだをこねるのも良いでしょう。けれど安全率の上がった所でただ乗りするのも悪くないと思うのですが如何でしょうか。
実を言えば掛けた代償を、同盟国 中でも金を持ってる某国に払わせるのは既定路線なのだとも言えます。
どっちが得をするのか、やっぱりアメリカかな。
シュワルツネッガーのTrue Liesで垂直に浮き上がるジェット機が出てましたが、あれは実用化されたモノなんでしょうか?
投稿情報: 吉田 | 2012-08-03 12:45
F35Bがもうすぐ実用化されるかされないかという所ですが、今までに実用化されたのは随分古いハリアーのみだと思います。特撮でなしに垂直に浮き上がったとすればハリアーかなと思います。True Liesって映画を知らなかったのでネットで検索したらハリアーとあちこちに書いてありました。私が小学生の頃にはありました。未だに現役だとすれば、遅くて古くて役立たずでもVTOL(垂直離着陸)だけで他に代えるモノが無い唯一無二の戦闘機という事みたいです。民間ではさすがのジャンボもそろそろ代替わりですが、C-130にP3C.CH46と軍用機では40.50年の現役は当たり前って事みたいです。
投稿情報: kawa | 2012-08-03 17:24