ただでも危険な普天間に、良く墜ちるオスプレイがやって来るなんて許せない。というのが一般的な見解だと思います。日本にある米軍基地のほとんどを狭い沖縄に押し付けて、のうのうと本土に暮らす私は少し違う考えを持っています。
アメリカには陸海空3軍の他に海兵隊という軍隊があります。総勢で言えば3軍に比べて小さい存在ですが、世界中の紛争地域に真っ先に駆けつけるのが商売です。一人一人の腕っ節がツオイので有名です。
彼らが乗り付ける紛争地に必ず飛行場があるとは限りません。そうした場合に大型ヘリコプターに兵員機材とも積み込んで駆けつける訳ですが、この大型ヘリコプターの航続距離が短い。今後も色々な紛争の種を残す極東、東シナ海で何かが起きた時、近くの飛行場まで大型輸送機で行って、更にヘリコプターに乗り換えるなんて事はやってられません。ヘリコプターで直接飛んで行くのには、第一列島線(中国側から見た場合)の中でも沖縄を足場にする事が不可欠でした。普天間が譲れなかった訳です。
もしここでヘリコプターの倍近いスピードとずっと長い航続距離を持つオスプレイにその役割を任せられれば、第一列島線の沖縄から第二列島線のグァムやオーストラリアに駐屯地を移す事が可能になります。
危険な普天間と、危険なオスプレイの両方が嫌という意見には無理もありませんが、オスプレイが墜ちなくなれば、危険な普天間が要らなくなるなんて選択肢もあり得ると私は考えます。オスプレイにケチを付けるよりは、イイネイイネ オスプレイはいいね。だからグアムに持ってって、その為だったらお金も少しは出しましょう、なんて交渉も無いのでしょうか。
これは余談ですが、大型ヘリコプターって遅いんですって。時速200キロか300キロで低い空を飛んでいると、銃に毛の生えた程の火器しか持たないゲリラにも、撃墜のチャンスがあるのだそうです。アフガニスタンではソ連の大型ヘリコプターが、携帯のスティンガーミサイルを持ったゲリラに随分やられたそうです。オスプレイは時速500キロ程でもっとずっと高い空を飛ぶのでそういった危険も少ないのだそうです。ちなみに500キロというと二次大戦初頭の戦闘機のスピードです。速いですねぇ。
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