高校時代の様に、毎朝学校に行けば新しく出たレコードの話をする同級生がいる訳でもないし、高円寺のロック喫茶「キーボード」や阿佐ヶ谷のブルース喫茶「キングビスケット」に通う訳でもありません。中村とうよう氏のブルース紹介記事を読むのにニューミュージックマガジンを立ち読みする事もありません。もう何十年も昔の話ですものね。ブルースやソウルの新譜情報にはすっかり疎くなってしまいました。
たまに買うブルース&ソウル レコーズ 誌が唯一の情報源だったのですが、死に絶える寸前の音楽ですから新しい話題も無さそうです。そろそろネタ切れだろうなどと暫く買いませんでした。 久し振りに買うまであのシンディローパーがブルースのアルバムを出したなんて知りませんでした。 へーなどと思っても、わざわざレコードを買わなければ確かめ様も無かった昔とは事情が違います。 こちらで簡単にダウンロード出来ました。(勿論タダです)
なまじ本物を知っている人間ほど黒人以外のこうした試みに冷淡だったりします。 私も最初はそんなに感心しませんでした。 何度か聞くうちに中々の出来だと思う様になりました。 ブルースなんてどれも同じだとも言えますが、その中には幾つか代表的なスタイルがあります。 ロバートジョンソンそっくりに歌えたり、BBキングのままにギターが弾ければフルコピーでも良い訳ですが、 彼女はまるで違う声を持っている訳ですからそうも行きません。 それぞれのスタイルにはそれぞれの勘所があって、彼女の歌でそれを押さえるのには、彼女なりの理解と再構成が必要です。彼女はかなりブルースを知っていると思いました。
3/16.17.18とオーチャードホールでコンサートがあるそうです。全盛期の彼女であれば武道館だって一杯でしょう。あれから随分経つし彼女のファンもブルースを聞きに来るでしょうか。およそ儲かりそうに無いレコードを出して、日本にまで来てくれる彼女に敬意を表したいと思います。ここは一肌脱ごうかな。
どなたかな~。キングビスケットのチャムです。今でも阿佐ヶ谷に住んでおります。メールください。
投稿情報: チャム | 2015-03-27 10:28