シトロエンが、変なクルマだという世間の認識は、もう何十年も変っていません。
前輪駆動車を、戦前から大量生産し、その後も変なクルマを作り続けて来ました。
(戦前にも、小さな規模の前輪駆動車生産は、他の例があります。フランス以外で前輪駆動が大量生産されるのは1959年のミニまで待たねばなりません。)
ただ、実際に乗ってみると、全てに理由と理想と信条があって、気まぐれや変態趣味でない事が分かります。(乗る人間が、変態趣味とのそしりをまぬがれるかどうかは微妙です)
むしろ、いつもまわりの顔色ばかりを見渡してクルマを作り、自らの理由と理想と信条の無いクルマを世界一売る事こそがクルマを作る目的だと言われると、何か目的を間違えていないかと言いたくなります。
最近のシトロエンはドイツ車や日本車の真似をするようですけどね。
何十年にも渡って作られた変なクルマは、それぞれが違う目的を持っていて、お互いにまるで違っています。戦前のトラクシオンアボンから、2CV、DS、AMIまでが一人のデザイナーの手になるとは知りませんでした。
これまで、シトロエンについて、個人名は創始者のアンドレ シトロエン以外に聞く機会がありませんでした。
それも、アンドレの後を継いだ経営者ピエール ジュール ブーランジェの自己を吹聴する輩を蔑む性格に依るものだと分かりました。
入院前に買った、’シトロエン 革新への挑戦’には知らない事が沢山載っていました。
見た事の無い写真も多く、見た事のある写真も写りが遥かに綺麗です。
大きくて綺麗な写真と、聞いた事のない人達の素敵な仕事の話。
とても素敵な本でした。お薦めします。
もう一つ、デザイナーの名前が多く知られる事の無かった理由は、イタリア人 フラミニオ ベルトーニ という名前がイタリアのベルトーネと紛らわしかった所為もあるのかもしれません。
早速、「シトロエン 革新への挑戦」を注文しました。
Flaminio Bertoni というデザイナーも、Erwin Komenda みたいに歴史に埋もれていたのですね。
投稿情報: AKi | 2008-09-02 12:30
新しい事、知らない事が次々に出て来ます。
ポルシェに関する知識は、小学校から高校までで、止まったままでした。
エルビンコメンダなんて聞いた事もありませんでした。
ビートルのスタイルはフェルディナンド自身、356から911はフェリーポルシェが作ったと思っていました。
無責任な推薦も、人が実際に注文したと聞いた途端に不安になりました。
御気に召して頂けるとうれしいのですが・・・・・
投稿情報: kawa | 2008-09-02 15:45
ベルトーニは元々彫刻家だったせいか、独特の塊感を感じさせます。
どのモデルもあまり多くのスケッチをしないまま一気にクレイを削りだしていたようで。
世間某所では前世紀末にDSが20世紀最高のクルマと選出しましたが
私は密かにAMI6こそがベルトーニの最高傑作だと思っています。
ご参考:http://www.flaminiobertoni.it/
投稿情報: UMAGURUMA | 2008-09-03 22:59
同じフランスのパナールには少し似た物を感じます。けれど他のあらゆるクルマと隔絶した不思議な存在ではないでしょうか。
格好が良い事やおしゃれなこととは無縁な私ですが、今ピカピカのAMIを乗り回していたら最高に格好が良いと思います。
投稿情報: kawa | 2008-09-04 11:10