小さい頃、休みになると、母方の田舎に預けられていました。
そこでは、’ヨーサンバの孫’というのが私の身分でした。
ヨーサンバというのは母の家の呼び名です。昔は養蚕をしていたようです。
だれも父方の名字を知らない所為もありますが、お互いに名字を知り合った、村の人達同士でも名字を使うことはまずありませんでした。
限られた社会の中では、ジローやタカシといった名前でほぼ用が足りる様でした。
どこの家のタカシか、といった場合にも名字を使う事はほとんどありません。
カドヤのタカシだったり、シンデンのジローだったり。マンジュウヤ、タタミヤというのもありました。
ヨーサンバと同じようにマンジュウヤが現在の商売を表している訳でもありません。
あれが屋号だったのでしょう。
(はじめて確定申告をする時に屋号と書いてあって、どう書いて良いか分からず困りました)
都会で暮らしていると、人間には姓、名、ふたつが揃って当たり前の様な気がします。
これは極く、最近の話に過ぎません。
つい最近まで大部分の日本人は名字帯刀を許されていませんでした。
江戸時代に名字帯刀を許された武士の割合は人口に対して5パーセントと言われています。
あなたも私も大部分の日本人の名字は明治に入ってあわてて作ったデタラメです。
私の名字はナントカ藩のお侍につながり、ぐらいは可愛いものですが、遡れば清和源氏などと言い出す人は困りものです。ご自慢かも知れませんが大部分の名字はでっち上げです。ご先祖様は4代遡れば16人、5代遡れば32人、端にお殿様がいる事もあるでしょうが、こそ泥だっていて不思議はありません。大部分は百姓か商人だったはずです。
斉藤でなくて、うちは斎藤です。真鍋でなくて眞鍋です。
失礼しました。ちょっとしたことで、人様のご機嫌を損ねてしまいます。
折角付けた苗字を間違えたりすれば御不興を買うのは当然です。
けれど、もう一度だけ言わせて下さい。私たちの名字の大部分はそんなに偉そうなモノじゃないはずです。
私の友人の女性は、祖先が山賊だったそうです。
言い伝えの信憑性は判りませんが、でもそのことを言える彼女は
信用出来る人って思います。
投稿情報: UMAGURUMA | 2008-03-29 11:07
ご先祖様は遡れば遡るだけ、2の階乗で増えて行きます。16人、32人、64人のご先祖様の内、一人だけをご先祖様とする事に、そもそも無理があると思います。
1/16、1/32、1/64を取り上げて、名家自慢を始める人の揚げ足とりがこのエントリーの趣旨だとして良いでしょう。
山賊のご先祖自慢、いいなぁ〜、それなら私も大好きです。
投稿情報: kawa | 2008-03-29 14:09