箱に入っているスピーカーを後面開放にしたり、平面バッフルの面積を小さくすると、低域のレベルが下がります。
そうした場合には、密閉箱の容積を変えたり、バスレフのダクトをいじったりした場合に比べて低域のレベルがダラ下がりになる事はあってもあまりディップやピークが出来る事は少ないと思っていたのですが、必ずしもそうばかりには行かないようです。
むき出しに近い形で使っているウーハーの低域はレベルは低くてもあまり大きなデコボコは出来ないのではないか、あんなに低音が出て困るぐらいだから一概に低域不足とは言えない、という二つの矛盾した期待は甘かったのかも知れません。
サキソフォンコロッサスや、ヘレンメリルのYou`d be so nice to come home toで、低音がやたらに大きな音で、のたうち回るのに手を焼いています。特にレコードが酷い。
途中まで迷惑な程うるさかったベースラインがパタっと聞こえない所があるのは、周波数特性に大きなデコボコがあると考えるのが適当でしょう。
今回小さな平面バッフルを付けても、こうした事情にはほとんど変化がありませんでした。
ジャズやブルースではほとんど差に気が付きません。
ただクラシックのコントラバスのラインが随分分かりやすくなりました。コントラバスの弓の動きが少し見えて来たようにも思えます。(勿論これは今までに比べて少しマシといった程度の話しです。)チェロの下半分、ひょっとするとビオラも少し良くなったかも知れない。
スピーカーフレームの両側に何の補強も無しに付けたバッフルが盛大に振動している事も分かりました。
両側のウィングに補強を入れるか、どうせなら平面バッフルの奥往き方向に板を廻して後面開放型にした方が良いか、或はバッフルとフレームの間にスポンジか何かの緩衝材を入れてバッフルとユニットの縁を切るか。
改善案はいくつかあって悩みどころです。
ひとまず、現状の確認の為このまま少し聴き込んでみます。
PS
箱に入れると、低音の量は増えるけれど、その質は落ちる。
平面バッフルと箱に入れたスピーカーを比べて、低音の質と量はトレードオフの関係にある様な気がしていました。同じ平面バッフル同士でも平面バッフルが大きい程、低音の量が増える。小さなバッフルでは低音の量は減るけれど低音の質に関しては必ずしも悪くはならないと思っていました。
ただベースラインは以前に比べれば良く分かる様になりました。低音に量的というよりは質的な変化があったのは本当に不思議です。
クラシック以外では気付かなかった変化が最近はジャズでも少し分かる様になって来ました。
接着剤を使わず木ねじだけで作ったバッフルにも組み立て時のストレスが内部応力として残っていたのが鳴らして行くうちに、振動でストレスが抜けて来たなんてことはありえるでしょうか?