あじ、サバ、イワシ、今だったら秋刀魚が美味しい。何も鯛ばかりが美味しいとは思わない。
伊豆の帰りに買って来たあじの開きだって美味しいと思っていた。
父方の田舎から、小鯛の一夜干しが届いた。
塩と、そうと気づかない程度の醤油、ここいらの塩梅が絶妙だ。
小浜の魚を思い出してしまった。
千葉だって、相模湾だっておいしい魚はとれるのだけれど、素材以上に何かが違う。
京都から東京に遷都して百年以上経つのに、まるで敵わない。これが食文化というモノだろうか。
京都の錦市場でも目利きならば美味しいものが買えるのだろう。
でも私たち素人がいきなり行っても、本当に美味しい魚には中々お目にかかれない。
産地で知り合いの魚屋に念を押して送ってもらったものはちょっと違う。
若狭の小浜と言えば、グジが有名だけれど、他にも美味しいものがある。
若狭かれいを一度でも食べたら、こっちで食べるカレイは泥臭くてでかいだけの座布団みたいなものだ。
20センチに届かない小さなカレイをあぶるように焼いて、回りの縁側をパリパリと食べてしまうと、
骨の両側の白身がはらりとはがれてくる。
魚の食べ方の上手い下手もあるけれど、若狭カレイならば誰が食べても綺麗に骨だけが残る。
鯛やカレイは御上品だけれど、串刺しにした焼きサバはずっとパワフルだ。生姜醤油に付けて食べると、
白いご飯が欲しくなる。
昔は昼ご飯に食べられたカレイも一枚が1500円もするとめったなことでは食べられない。
サバが取れなくなって焼きサバも北欧から材料を入れているのだそうだ。
みんなに食わせて自慢がしたいけれどそうも行かない。
PS
勿論、私は関東の人間で食い物全て関西の方が旨い、などと言う話に広げる積もりは無い。
確かに、うどんと押し寿司は関西の方が旨いけれど、にぎり寿司と蕎麦はこちらの方が旨い。
白味噌に丸もちを、ぐずぐずに溶かすまで煮込んだ関西風より、四角い焼きもちを透明なつゆに入れた雑煮の方がずっと好きだ。
小浜の魚に話を限定したい。
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