ロバートジョンソンの話には欠かせないクロスロードの悪魔に関する伝説を、全て真に受けるのは難しい。
けれど、似たように作られたとまで言っていいかどうか。丸ごと信じてしまうのもどうかと思う話を思い出した。
イートン・ハーローに並ぶパブリックスクールでのフットボールゲームの折、一人の少年がボールを抱えて走り出したのが、ラグビー校式フットボールつまりラグビーの始まりだ。
この素敵なエピソードにケチをつける積もりも無いし、ましてでっち上げだ、などと言う積もりも無い。
ただ、その頃のフットボールが完全に手を使わない今のサッカーのように完成されたものだったのかどうか。
現在のサッカーとも、ラグビーともつかない、むしろ神社の御神木を取り合う裸まつりにも近いような、
多種多様なフットボールがあったらしい。
家業を放り出して熱中どころか、村同士の殺傷沙汰も度々、という人気ぶりで、
英国では何度も禁止令が出される程だったという。
エリス少年一人のエピソードにラグビー誕生を求めるのは素敵な話だけれど、
現在のサッカーの要素も、ラグビーの要素も含む混沌としたものが、だんだんに整理されてふたつに分かれたというのが実情に近いと思われる。
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