先日のNHK、エルサレムについての番組はキリスト教、イスラム教、ユダヤ教のどれか一つに偏ることの無い点で、気持ちの良いものだった。
暫く前の南米に関する特集も、自分の裏庭(搾取の対象)としか見られないアメリカからとは違う視点に立っていることで、公平なものだった。
別の局のニュースではチャベスをまるで、ならず者扱いをしていたのとは随分違う。
話が少しそれてしまった。エルサレムの番組の中で、十字軍による聖地奪還の折の4万人の虐殺に触れていた。
血の海が喩えではなく、人の腰まで死体と血でエルサレムは埋め尽くされたらしい。
昔読んだ”アラブから見た十字軍”にも、十字軍について、非常に野蛮で暴力的だったと書いてあった。
(エルサレムの虐殺についても記述があったのかも知れない。)
当時、アラブ社会は一つの強大な国家があるワケではなくて、数多い諸侯が並び立っていた中、イスラム内部の抗争も沢山あったらしい。
ただ、共通の教養と文化の上に成り立つ諸侯間の抗争は、詩のやり取りや宗教上の協議論争の形をとることが多く、必ずしも軍事的な抗争にはならない事が多かったらしい。
まず、美しい教養に満ちた詩で己の大義名分を交換し合う所から始まるのが道理だと思っていたら。
いきなり皆殺しから始める十字軍は文化と教養から最も遠い所にいる野蛮そのものであって、アラブ社会では扱いに困ったらしい。
昔、コピー機のリースを決める時に中々正直な値段を出さずに、別の所が下げるとじゃーうちも下げますなんて言い出すし、呼びもしないのに無駄話をしに来る営業マンたちに腹が立った。
値切るのが当たり前で店先で延々とカナイマヘンナ〜とやっている大阪式もあまり好きではなかった。
内心、それじゃあ、最初の値札は嘘だったのかよと思っていた。
イエスかノーか。武士に二言はない。どちらも格好いいけれど、それだけを振り回すのも大人の社会とは言えないのかも知れない。
ブッシュが十字軍好きなのは良くわかる。
PS
きちんとした手続きの上で成り立つ他所の国の政府を、自分に都合が悪いとみると転覆工作を謀るアメリカも、とんでもない国だ。
じつはチャベスがどんな人間かは分からない。ベネズエラでどう思われているのかも分からない。
けれど、国内で圧政をしているワケでもない、他国を侵略した訳でもない、拉致もミサイルも原爆もしてない国の指導者をならず者扱いする日本のテレビ局は、それでアメリカのご機嫌でも取れると思っているのだろうか。
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