80年代の後半、振り返ると随分バタバタとした数年の内に、建築家諸先生方は何をやっていたのだろう。
良くは分からないが、一つには、屋根の形コンテストといった意識があったように思う。奇をてらうだけの意味の無い提案も多かった気がする。
6帖の食堂といった平面や、柱・梁といった架構によって規定されない空間。必要なエアボリュームに沿った自由な領域を実現したことで、house-Fが一等賞だったと思うのは私だけだろうか。
格好の良いファサードと言った、分かりやすい所からは坂本先生の興味が遠ざかってしまう可能性もある現在、あんなに格好の良い道路側立面はもう作ってくれないかもしれない。
以上の2点がhouse-Fの美点だけれど、折角獲得された自由な空間も熱的な環境からは辛い所もありそうだ。house-SAのとぐろをまいた巨大な一室空間にOMの導入を考えるようになったきっかけはこのあたりにあるのではないかと私はにらんでいる。
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