ビートルズやストーンズが、一般的なメディアに取り上げられることが多かったのに比べて、ジミヘンやクリームが新聞やテレビといったメディアに取り上げられることは極く少なかった気がする。当時長髪はたくさんいたけれど、必ずしもロックファンという訳でもなかった。高校のなかでも一割か二割、三割はいなかった。その後のクイーンやキッスの人気はもっと圧倒的で高校の女の子の中でも常に話題になっていたそうだ。私達にとって60年代の終わりから70年代の前半までのロックは特別で、その後のクイーンやキッスには商業主義にむりやり拡大されたロックという印象を持ちやすい。これは、ありふれた感想で言うのも恥ずかしいけれど、映画ラストワルツを見れば、日本だけに限られた感傷でもないようだ。そうした反感がパンクにつながったとすれば分からないでもない。
最近思うのは、全世界の話題だったビートルズとクイーンに挟まれたニューロックってやつの功罪についてだ。私達の世代は、本来ロックが持つ膨大な市場と可能性を無理矢理、矮小化していたのかも知れない。70年代前半、狭いロック界の中でのスターだったロッドスチュワートと、セイリングを当ててから桁違いに有名になって、ポピュラーミュージック全体のスターになった彼。限られたロック雑誌の中でしか見る事の無かったかれと、一般的な雑誌からテレビまであらゆるメディアに登場する様になった彼。事の前後を知っている私達は不思議な物を感じる。
ニューソウルってやつもその後どうなったのかなぁ。ダニーハザウェイも死んじゃったしな。日本とアメリカでも違うだろうな。
当時、わざわざマッスルショールズに出かけて録音したり、フェントンロビンソンのサムバディローンミーアダイム(LPではローンミーアダイム)を選んだりのブルースソウル好きは決してメジャーな人気に繋がるようには見えなかった。狭いロック世界の中でもごくマイナーで冴えない風采の(けれどご贔屓だった)ボズスキャッグスが何年かして、その商業主義によって再び拡大されたロックの最前線に躍り出て、あげくの果てにシスコの伊達男とまで言われる様になるとはお釈迦様でも分からなかった。
PSこの間ラジオを聴いていたら誰かがシスコの高田純次と言っていた。座ぶとん3枚!
SILK DEGREESで「急に大きな市場を獲得しちゃった」ボブ ですが、彼自身はブルースが根っこにある人間でありつづけた証明として、1997年にブルースのみのアルバム COME ON HOME を出してますよね。その前年に日本市場向けに作られたセルフカバーアルバムの FADE INTO LIGHT は本人あまり好きじゃなかったんじゃあないんでしょうか? COME ON HOME ではオレはホントはこうなんだよ~と不良中高年ボブが楽しんで歌い且つギターを弾いていて、小生としてはとても好きなんですが。河さんは?
投稿情報: いのうえ | 2004-11-10 22:55
COME ON HOMEですか、知りませんでした。聞いてみたいと思います。
投稿情報: kawa | 2004-11-11 16:05
SILK DEGREESしか知らない僕にとっては
なーるほど、そうだったのか、というところ。
70年代のロックを概観しているような
不思議なエントリーですね。
投稿情報: fuRu | 2004-11-12 12:18