普通の自動車は乗り心地を良くするために、或いは駆動力をロスなく路面に伝えるために4つのタイヤを車体からコイルか板のバネで吊っている。それだけでは跳ねてしまうのでバネの振動を衰減させるためにダンパーを組み合わせている。ここまではシトロエンのハイドロニューマティックシステムも似ている、ただ金属のバネの代わりに空気のバネを使っていること、普通は4輪それぞれ独立したダンパーに封じ込められるダンパーオイルを一カ所に集めてポンプでそれぞれに送り込んでいるところが違う。エンジンを切って何時間かするとへたり込んだようにつぶれているのは、ポンプがとまって、ダンパーそれぞれのシリンダーから中央のバケツにオイルが戻ってしまうからだ。車体を上げ下げ出来るというよりはポンプが止まると下がってしまうのでいちいちエンジンをかけてからオイルを送り込まなければならないというのが正解だろう。すぐに発車出来ない。複雑な仕組みをなぜ採用しているのだろう。
車体の姿勢の変化に応じてそれぞれのシリンダーに送り込むオイルの量を変えることで車体の姿勢と乗り心地を積極的に制御出来る。
普通の車は道路の凸凹に対してそれぞれのバネが勝手な反応を繰り返してるに過ぎない、左右は鉄の棒で繋げても前後はまったく無関係に動いている。
大きなうねりを乗り越える時、荷物を沢山載せた時、ブレーキを踏んだ時、アクセルを踏んだ時、姿勢変化の無いこと、乗り心地の変わらないことは普通のサスペンションには望むべくもない。
今は普通のサスペンションも格段の進化をしているけれど、乗り心地を重視してバネをやわらかくすると高速で頼りにならず、高速のためにバネを堅くすると乗り心地が悪い、そういったサスペンションに比べれば、開発当時は、手間暇をかけるだけの意味があったのだろう。
(サイバーショットの宣伝で山高帽のおじさんが乗っているDSのデビューは1955年)
実を言えば、進化した国産車の柔らかいバネの乗り心地に、町中では敵わない所もある。細かいごつごつを結構拾う。ただ高速に乗ると雲の上を滑るような感覚と、ビシッとした操作感が両立するところは独特だ。
又、普通のダンパーは何万キロも付けっぱなしだけれど、オートバイのフロントフォークオイルは1年か2年で必ず替える。そのたびに汚れてヘドロのようになったオイルが出てくる。何万キロもそのままで良いものだろうか。ダンパーごと4輪付け替えるとかなりの出費になる。
その点ハイドロニューマティックシステムならぼ、液を交換してバケツを掃除すればいい。
そうしてシトロエンの乗り心地や姿勢、足回り全てを制御している体液がこのLHMだ。(ブレーキフルードにもなっている)
奇麗な緑色が使っていると段々濁ってくる、丁度青焼きの現像液に似ている。フィルターの汚れ方もそっくりだ。
ディーラーでの指定純正はTOTAL製で1L1700円だか1800円だけれど、こちらはペントシンで1L850円。
モダンサプライ
割と自宅の近くに、こんな車屋さんがあったとは・・
行ってみます。
投稿情報: 係長 | 2005-05-16 06:57
係長様、お役に立てればなによりです。
投稿情報: kawa | 2005-05-16 13:10