始めた頃はPCオーディオと言っていました。レコードプレイヤーやCDプレイヤーからの音でなく、PC内、あるいは外付けHD内に溜めたデジタルファイルをPC内のアプリ(プレイヤー)で再生。更にPC外のDACでアナログ変換をして今までのステレオ再生機器に繋ぎました。PC内 i-tunesで鳴らしたデジタルファイルをairmac expressでアナログに変換したのが最初でした。難なく音が出て、音も穏やかで暖色系のささくれたり歪んだりの一切無い安定した物でしたが、あらゆる所が丸くなった音でした。レコードプレイヤーやCDプレイヤー、更にCDやレコードのための棚までが必要無くなります。スペースの問題と全てがデスクトップで操作の出来る手軽さに魅力を感じました。音はレコードは勿論CDにも遠く及ばぬ音でした。ヨコヤさんのDACで随分レベルアップしました。RMEやMYTEKのDACはそれぞれ音のレベルには感心して居ましたが、DSDネイティブのファイル形式やMacのOS更新に対応出来ず、手放しました。Audirvana やHQplayerのPC内プレイヤーアプリも音には満足して居ましたが、アップデートにお金が掛かったり、PCのOS更新やPC自体更新の度にバタバタするのに疲れました。
始めたのは2009年頃ですから13年程経ちました。ここへ来て漸く分解能についてはレコードを上回った気がします。音の良し悪しに付いては色々な尺度が有って、何よりレコードの音が好きで、カートリッジやアーム、トランスと何年も吟味を重ねたレコード再生を全てにおいて上回ったとは思いません。けれど何年も掛けて結局レコードには及ばなかったCDプレイヤーよりはマシかも知れません。デジタルデータの再生機能をPC外部のストリーマーに移して、もうPCオーディオとは呼べなくなってからの成果です。ストリーマーの操作のみはLANで繋げたPCのブラウザーを通しています。
此処へ来て何段階かの進歩にはデジタル系のアクセサリーも寄与しています。どうも昔からのオーディオファンとしてはアクセサリーで音が変わる事に素直に喜べない所もあります。ifiのUSBiSilencerとUSBiDefender、USB iPurifier、DC iPurifierは其々一つだけだと目に見える効果とまで言い難いのですが。纏めて入れたり外したりすると効果が判ります。シャーデーのSmoothOperaterではコンガの音が良く判る様に成りました。同じくifi のAC iPurifierも一つだと効果が判りませんが、デジタル系、アナログ系、110VのESL用といくつかに分けた電源タップそれぞれに一度に入れると効果が判ります。ifiのストリーマーやDACをアクセサリーとは呼びませんが、分解能には大きく効果がありました。(音のバランスが変わって対応には時間が掛かりました。)此処までifiに随分侵食されました。DC電源アダプター(audio iPower Elite)についても効果は有りました。ifiの製品群が分解能の向上に大きく影響しているのは隠しようが有りません。けれどNAS( soundgenic)にはヤフオクで見つけたsoundgenic用が、ストーリーマーにはSTEREO誌のDC電源の方が更に効果的でした。此処へ来てレコードを超えたと感じたのはSilent Angel N8 の効果です。スイッチングハブで音が変わるとは聞いて居ましたがaudio用になった途端10万20万と言われて手が出ませんでした。Silent Angel N8 はAmazonで5万しない値段でした。
メロディ・ガルドーの曲のなかでlittle gain to youと聴こえていた歌詞がlittle game to youと解りました。小さなmが聴こえて来たんです。
PS ここでのレコードとは何十年か前のSPU,FR,Deccaによる再生を指します。まだ池田さんがご存命の頃、IKEDAの9cMUSAを聴かせて貰いました。その後更にMy Sonicを聴いてカートリッジも進化している事が判りました。進化の成果と好き嫌いは又別の話です。新しい機械の進化を理解したのと同じく、SPUにはSPUの、FRにはFRの価値があるとも思いました。今時の何十万、或いは百万円のカートリッジは更に進んでいるのだと思います。