世の中に優れたスピーカーは沢山有るのだと思います。けれど私の聞く機会は限られています。せっかくのスピーカーを必ず良い環境で聞けるとも限りません。感心する様な機会は本当に稀です。
あんなに人気のあったJBL4343に感心する機会は一度もありませんでした。普段、タンノイはあまり好みませんが、ハマったら文句の付け様が無いと思う機会が何度か有りました。こうした事実は機械の優劣よりその美点に触れることの困難を示していると言えるでしょう。
一方で好きになるのに説明できる理由がみつからない。ポンと音が出ただけで好きになってしまう事もあります。AXIOM80とESL57、ハーベスのHLコンパクト、クリプシュのラ・スカラなどがそれに当たります。これを多いとするか。何十年かの時間を考えれば意外に少ないと考えるかは判りません。又、音を聴いた事も無いのに欲しいと思ったのがオイロダインでした。世間では剛直との評価もありますがむしろ軽い低音が身上とも感じています。
好きになるのはどれも分厚い音を求めるべきスピーカーでは無い気がします。そうした機械の音を好みながら、私が装置全体に求めるのは黒人音楽のタフなビートと分厚い音です。それならアルテックを買えば良いのは分かっています。アルテックは好きだし、高く評価もしています。求める音がそこに有るとも思うのですが、アルテックを使う気になりません。(405は大好きだったし、417(12inフルレンジ)も大事に取っては有るのですが)求める音と好きな機械との間に矛盾があります。
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