現用のMYTEK DIGITAL Stereo 192- DSDはDACの他にプリアンプ機能を持っていて、出力を直接パワーアンプに繋ぐ事が出来ます。もう真空管プリアンプは要らないはずでした。是枝式300BSパワーアンプを使う時にはMYTEKのDAC付きプリアンプで-20dbほど絞っていました。新しく使い始めた是枝式50Sステレオパワーアンプはゲインが小さいのでしょうか、普段は同じDAC付きプリアンプを-10db程絞って、時には-0dbで鳴らす事も有りました。信号の通る素子を減らす事が良い音に繋がるのであれば、これも良い事に思えます。必要以上に大きな出力のパワーアンプを使っても絞ってしまうのでは、アンプの一番良い所を使えないとの考えを聞いた事が有ります。
ですから、以前に使っていた山本音響工芸CA-01プリアンプはお休みしていたのですが、要らないのであれば手放そうかと埃を払って磨きました。音が出るかチェックをしようとDAC付きプリアンプとパワーアンプの間に入れて見ました。あくまで増幅機能を確かめる為でした。音の良し悪しを問う積りは有りません。不必要な増幅段を増やした音は当然悪くなるはずでした。
ここまでで、話の読めてしまった方もいらっしゃるかも知れません。無駄なはずの増幅段、プリアンプを挟んだら溢れる様に音が出てきます。以前だって絞っていたボリュームを上げれば大きな音は出せました。ボリュームの大小とは別の 音の大きさ(縦横高さ)と言った尺度が必要です。以前プリアンプとパワーアンプの後にブースターアンプとしてWE43Aを入れた時の効果に似ています。わずかに音が濁るでしょうか、中域が勝って最低域と極高域が少し落ちる気もします。
プリアンプを入れる前から、ここ暫くで一つ一つの音が小さくなって見晴らしが良くなった気がしていました。更に細かい音が聞こえる様になっていました。迫力は無いけれど、こうした音がESLの美点かとも思いました。訥々と歌うJ.J.ケールも味があるなんて思っていました。
大間違いでした。J.J.ケールもロックですから、バリバリと飛び出す様な勢いが感じられる様になりました。
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