大きな音は出せません。室内楽を楚々と鳴らすには最高です。こうした意見が多い様です。イヤイヤ、ちゃんとブリブリの音だって出しますよ。私はこちらの意見に賛成です。
けれど、Sam&Daveやエラの声にもう少し厚みが欲しいとは思います。Ben WebsterやIllinois Jacquetのラッパにブォッて言う迫力が欲しくなるのも事実です。だったらホーンを使えAltecを使えと。それも、ごもっともだと思います。アメリカの音楽とイギリスの音楽って別の物なのかも知れません。
こうした大きな傾向には変わり有りません。チャンネルディバイダーもオイロダインもはずしてしまいました、プリ付きDACから直接是枝アンプでESLを鳴らし込んで来ました。機械としての環境にも、此の所変わりは有りません。
鳴らす事以外何もしていないのですが、音が良くなります。植物にだって声を掛けながら水をやると応えてくれるなんて話は、成る可くしたく有りません。どう説明をすれば良いのか分からないからです。スピーカー自体はもう何十年も動いて来て、初期ランニングはとうに終っている筈です。機械自体の馴らしの他に組み合わせにも馴らしが必要だとして、部屋まで含めたシステム全体の馴らしが進んだとでも言えば良いのでしょうか。不思議だなぁ。
こうした時間による音の差を聞いてしまうと、切り替えての同時比較って意味を失ってしまいます。左右のSP間にぽっと浮かぶ音像は最初からですが、その中での前後左右がより明確になって来ました。少し歪んでいるのかなと思っていたボーカルが二人のコーラスだと気が付いた曲が有ります。最近二人の奥に更にバックコーラスがいる事が見えて来ました。
諸先輩方には、何を今更と言われるような事ですが、Audioって不思議だなぁ。
似た話が有ります。家を建てる時に何人かの設計を比べるコンペが意味を持つ事も有るんです。でもね、もっと大事なのは特定の人と時間を掛けてやり取りを積み重ねる事なんです。一度会って設計者だけが練りに練った提案を私は信じません。