身の回りのゴム長を見て、格好が良いなんて思った事はありませんでした。
でも魚屋さんの履いている長靴はずっと深くて近所で売ってる長靴とは違っていました。電信柱に登って工事をしている電気屋さんの履いている茶色の長靴も他では見た事がありません。それぞれの用途に特化したプロ用の長靴はどこに行ったら買えるのだろうと考えだしたのは高校の頃です。以来近所の靴屋ではついぞ見かけない専門家向けの長靴に憧れて来ました。
大学に入った年(1977年かな)パリに行ったらスーパーマーケットで茶色の長靴を見つけて買いました。AIGLEと書いてありました。勤め始めてコンクリート打ちの時に履いたら一遍で表面がバリバリにひび割れてしまいました。コンクリートのアルカリがいけなかったのでしょうか。勤めていた事務所を辞めたばかりの頃、ハリウッドランチマーケットで買ったつま先の黄色い長靴は気に入っています。これも時間が経って風化し始めています。
雨の多いイギリスでオートバイに乗ったり庭仕事をするのに履く深い長靴がハンターというブランドらしいと気がついたのは何年か前です。まさに長靴ならこうあって欲しいという形に見えました。
日本でも買えそうになってあちこち探しました。欲しかった色や男の履けるサイズがありませんでした。日本では女の子のおしゃれと認識されているようです。大きなサイズや特別な色は難しかった様です。高い買い物だし、無駄なお金を使わずに済んだと自分を納得させていたのですが、ネットで安売りを見つけました。色はグレイですが男の私が履けるサイズです。昔探した時より随分安いみたいです。