初めてスピルバーグの’激突’を見た時には、極端に映画の要素を減らしている所為も有って一分の綻びも無い、こんなに完璧な映画を見た事が無い、 凄い監督が出て来たと思いました。その後は、彼に感心をしたことがありません。
やはり彼の作った’1941’はあまりに要素が多くて完全に統制を失った最低の出来です、感心もしません。でも私は好きなんです。映画の好き嫌いは、時として出来の善し悪しと無関係です。
’1941’を遥かに上回る(下回る?)B級映画ですが、私は十分以上に楽しめました。皆さんにも楽しんで頂ける気がします。
日本人なら、’んな訳無いだろう’とあきれる様な映画です。逆に考えれば、アメリカ人が日本に期待する所がこんなに大きいのかとも思えます。アメリカ人の妄想の中で日本はとんでもない国になっています。意外に正確な部分もあって、まるっきりの出鱈目や悪意と言うよりは日本に対する期待或は好意なのでしょうか。ラストサムライを思い出しました。期待或は好意故にとんでもない勘違いになってしまう事があるのかも知れません。
例えれば、映画マッドマックスと実際のオーストラリアの違いって感じでしょうか。この期待に答えるのは難しいなぁ。日本人がこうしたギャップを楽しむのと、知らない人が素直に日本ってすごいなと感心しながら見るのとではどちらが楽しいんだろう。
私達の知っている日本人俳優もちらほら見えますが、大体は端役です。劇中で重要な日本人役はアメリカ在住の韓国人俳優です。カーアクションもアメリカで撮影された様です。
素晴らしい映画だからという訳ではないのですが、機会があったら見て欲しい、’燃えよドラゴン’や’マッドマックス’’カラテキッド’あたりと並べたい所ですが、ちょっと辛いかな。
PS
スピルバーグについて言えば、’1941’が好きだとは言いましたが、本当は’激突’を超える物を作って欲しいと思っています。けれどその後の’インディジョーンズ’は上手くなった’1941’ではあっても、’激突’を超える物では無い気がします。(ルーカスの占める割合も大きいですし)時々シリアスな物も作りますが底が浅くて落胆ばかりしています。シリアスを装ったスピルバーグに比べたら’TOKYO DRIFT’面白いと思うんですけどね。
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