これがスフィアです。ハイドロニューマティックのシトロエンであれば、サスペンションの注射器状のシリンダーの頂部に付いています。
(普通、前輪がマクファーソンストラットであれば、ボンネットをあけると左右のタイアハウスの上、ストラットの頂部に緑の球がついている訳です。)
鉄の球の中に横隔膜のようなゴムの膜がついています。ゴム膜の上半分には高圧の窒素ガスが入っていて空気バネになっています。石に乗り上げると縮められたシリンダーから鉄球の下半分にLHMが流入して空気バネを縮めます。(流入する穴の大きさを変えることでダンピングの調節が出来ます)コイル等の鉄バネでは入力に対して直線的な反応をしますが、本当は縮み始めは柔らかく奥に行くほど堅くなる、二次曲線状の反応が理想的です。もちろん現在のコイルサスペンションでは、バネ定数の違う二種類のコイルを組み合わせるなどの対策をしていますが、基本的に空気バネの方が優れています。
ただ、現在の技術では完全な気密或いは真空を維持するのは難しく高圧のガスもゴムの膜等を通して少しづつ漏れていきます。そういったわけで、2万キロか3万キロに一度、一個8〜9千円の鉄の球を取り替えれば最高の乗り心地が維持出来ます。
(インターネットで輸入すると送料別で3500円程度、サービスマニュアルでは4万キロに一度だったかな?)
これをディーラーにまかすと前後で5万ほど掛かります。インターネットで英国の部品屋さんを見ていると、向こうでは、新車と保険は高い様ですが、出来る程度の事を自分ですれば、自動車を維持するのは、日本でディーラーまかせにするより、大分安いのだということも分かって来ました。
ハイドロニューマチックのタネを、初めて見ました。なるほど。
ちょっと考えればそんなはずはないのに馬鹿な話だけれど、なんだか液体がクッションになるような気がしていましたよわたしは。このタネのかたちは、モールトンの自転車のサスペンションのゴムのかたちに似ている。なにか関連があるだろうか。
力のかかるところは小さな断面にしておいたほうが全体に力をかけやすい。しかし変形する部分は、あるていどのおおきさの断面を持っていた方が分散されて部分的な変形や単位面積あたりの圧力は小さくなるので、空気であれば空気もれが、ゴムであれば傷みがすくなくてすむだろう。
というわけで、先端が細くておなかが膨らんだ形になるってわけだろうと、一人でなっとくしたのですが、誤解があるようでしたらご指摘ください。
投稿情報: 玉井一匡 | 2004-10-26 12:51
御覧頂いて有り難うございます。
液体が力を伝える媒体であるのは確かです。地面と車体の間に空気と液体を介して浮かんでいると言う表現はあながち的はずれでは無いと思います。DSの四輪の代わりに丸いボールを付けて水の上に浮かせた広告は有名です。現実は別にして、そういうイメージを売っていたのは事実です。そうそうミニのゴムサスも同じ形でしたね。
投稿情報: kawa | 2004-10-26 18:12